更年期と聞くと、のぼせやほてり、大量の汗をかくなどのイメージを抱く人が多いと思います。しかし、更年期に変化しているのは身体の中だけではありません。イライラや不眠などの精神的な症状もあります。そして、年齢とともに多くの女性を悩ませている症状のひとつが「かゆみ」です。
エストロゲンの減少がかゆみを招く?
更年期になると、女性ホルモンがガクンと減少します。なかでも、肌のコラーゲンや水分量を増やす役割を担い、卵巣から分泌される「エストロゲン」については、卵巣の機能が30歳代後半から少しずつ減少するため、コラーゲンなどが減り、代謝も落ちて肌の生まれ変わりであるターンオーバーも乱れやすくなってしまいます。
肌の水分保持力が下がってくると、バリア機能も低下する一方です。バリア機能が低下すると、乾燥しやすくなり、今までは無反応だった些細な刺激にも反応しやすくなって、かゆみなどの症状を引き起こしてしまうのです。
治療法はあるの?
更年期によるかゆみの治療法としては「女性ホルモン補充療法」が挙げられます。これは不足しているエストロゲンを補う治療法で、更年期障害などに有効といわれています。しかし、がん細胞の増殖を促すリスクもあるといわれています。全身を検査するなど、症状と原因を明らかにしたうえで慎重に治療法を選択しましょう。
かゆみがひどく日常生活に支障をきたしている場合は、一時的にかゆみを緩和させる対症療法も選択肢のひとつです。一度皮膚科を受診して、医師に相談し、軟膏や内服などの薬を処方してもらうこともオススメです。
かゆみの対策法
かゆみを防ぐためには、肌を乾燥させないことが大切です。入浴で熱いお湯に浸かったり、ボディソープによって皮脂を落とし過ぎたりすると、さらなる乾燥を招きます。お湯だけで身体をさっと洗い流す日を作りましょう。湯の温度もぬるめにセットするのも乾燥対策になります。そして、お風呂上りや毎日のスキンケアでは、ビタミンB2やビタミンB6を配合しているクリームなどで顔やボディをしっかり保湿しましょう。
また、紫外線は肌を老化させるだけでなく、乾燥の原因にもなります。日焼け止めを塗ることも大事ですが、日頃から帽子や手袋、日傘なども活用して紫外線からしっかりガードしてください。雨や曇っている日も紫外線は降り注いでいますので、油断は禁物です。
睡眠の質も重要です。眠っている間は成長ホルモンが分泌され、肌が回復する力を助けてくれます。しかし、かゆくて眠れない状態が続くとかゆみをさらに悪化させてしまいます。そんなときは、まずかゆみの症状を和らげることを優先して、かゆみ止めなどを活用しましょう。
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