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登山中にケガをしたらテーピングで応急処置

更新日:2016/12/09 公開日:2016/08/25

登山者が知っておくべきテーピングでの応急処置について、ドクター監修の記事で解説しています。また、テーピングだけでなく、山登りで遭遇する危険にはどのようなものがあるのか、いざという時の処置方法もあわせて説明します。

登山で必須となる持ち物の中にも、テーピング用テープは含まれています。いざというときの応急処置アイテムとして、そのテーピング用テープの使い方について知っておきましょう。登山中に考えられる怪我などの危険因子の他、テーピングの活用方法についてもご紹介します。

登山中に起こりえるアクシデント

舗装されていない道を歩く登山は、不慮のアクシデントが起こりやすいとされています。そのため、あらゆる怪我のリスクも高くなります。登山で起こりやすい怪我は、悪路を歩くことによる足首のねんざ、ひざの痛み、転んだ時の姿勢や手のつき方で起こる手首、ひじ、肩の痛みです。ねんざや打撲だけではなく、ひどい場合は脱臼や骨折に至ることもあります。

特に怪我をしやすいのは下山のときです。下山のときは疲労が溜まっているうえ、一度歩いた道ということもあり、気が緩んで注意力散漫になります。何の変哲もない単調な道では、その傾向に陥りやすく、ふとした拍子に転倒して手や足を痛めてしまいます。また、上り運動よりも下り運動のほうが膝関節への負担が大きく、筋力が必要となるため、注意しなくてはなりません。

このような登山中のアクシデントに備えて、一通りの応急処置の知識と救急セットはしっかり身につけておきましょう。

応急処置の5段階(RICES)

応急処置のポイントとして覚えておきたいのが、RICESという5段階に分かれた処置方法です。RICESとは、ねんざや打撲、脱臼や骨折といった内出血、腫れ、痛みをともなう症状に対し行う処置方法です。

それぞれRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)、Stabilization/Support(安定/固定)の頭文字をとってRICESと言います。近年はProtect(保護)を加えてPRICESとすることもあります。

RICESに沿った応急処置を行うことで内出血、腫れ、痛みが最小限に抑えられ、その分治りも早くなるメリットがあります。

RICESの意味は、次のとおりです。

・Rest(安静)
患部を動かさないようにすること。安全な場所へ移動させ、楽な姿勢にします。患部に体重がかからないようにすることも大切です。

・Ice(冷却)
腫れや内出血を抑えるために患部を冷やします。ビニール袋に氷を入れ、タオルなどを間に挟み、氷を直接当てないようにしましょう。冷却時間は15分~20分。間隔がなくなってきたら一度中断し、1時間ほど間を置いてから再度冷やします。

・Compression(圧迫)
内出血や腫れを抑えるために行います。これにより血腫が大きくなることを防ぎ、患部の組織がもろくなってしまう事態も避けられます。

・Elevation(挙上)
患部を心臓より高い位置へ持ち上げます。腕や手首の場合は三角巾で手首から吊り上げ、足の場合は寝た状態で足だけを椅子やクッションの上に乗せて高くします。これにより血圧を下げ、内出血の量を抑えることができます。

・Stabilization/Support(安定/固定)
患部を安定、または固定させることにより、それ以上のダメージを軽減させます。筋肉、腱、靭帯の修復が早まり、内出血や痛みを抑えることにも役立ちます。

これらのポイントを抑えた応急処置を行えば、後の医療機関での治療もスムーズに行えます。

テーピングでの応急処置

テーピングでは、RICESのCとSの処置が行えます。骨折した場合は副木(添え木)をしてテーピングで固定と圧迫を行います。ねんざや打撲の場合は、必要以上に患部を動かすことのないように圧迫します。

1.足首を痛めた場合は、まずくるぶしより拳ひとつ分ほど上の位置にテープを一周させて巻きます。次はそのテープの下部に1/3程度かぶせるようにして巻きます。1本目は伸縮性のあるテープを使用することがポイントです。

2.次は2本目のテープに端を合わせ、足に沿って縦方向に貼ります。かかとを通り、逆の面へ行き、スタート地点と同じように2本目のテープに端を合わせて切ります。その際、足の内側から外側に向かって巻きましょう。かかとに達してからは強めに引っ張りながら貼るのがポイントです。

3.同じくもう1本縦方向に貼りますが、次のスタート地点は先に縦方向へ巻いたテープよりつま先側に位置取ります。足首に巻いた二本のように端を1/3ほど重ね、かかと部分は完全に重ねて貼ります。

4.最後は固定用にテープを数周させます。外側のくるぶしの上に端を置き、かかと(アキレス腱のあたり)を通り足の裏へ。その後、甲を通って、またくるぶしの上へ。2周ほど繰り返したら、足首に巻き付けながら最初に足首へ巻いた二本のテープに近づけていき、残りをカットして完成です。

靴を脱ぐことが困難な場合は、靴を履いたままテーピングで固定することもあります。

外側のくるぶしの上から足の甲を通り、土踏まずから足の裏へ。足の外側から足の甲でテーピングが交差するように内側のくるぶしの上に8の字を書くようにテープ巻きを繰り返します。

今回は一例として足首の処置法をご紹介しましたが、手首などの場合も基本は同じです。痛みのある部分が動かないような巻き方を意識してテーピングしましょう。部活動で教わった巻き方を覚えているなら、そちらを応用してみるのもおすすめです。

テーピング以外に持ち合わせておいたほうがよい道具

テーピングは巻きやすい3.8cm幅くらいのものが妥当です。他にも応急処置として用意しておきたいものは以下のとおりです。主に怪我の洗浄や治療、体調不良の軽減に備えたものです。

  • 鎮痛剤(市販の頭痛薬など)
  • 芍薬甘草湯(筋肉のけいれんに便利)
  • ビニール袋(水を入れてから端を切って使うと傷の洗浄がしやすい)
  • 止血用のガーゼやタオル(生理用ナプキンでの代用も可能)
  • 三角巾、包帯、精製水、消毒液などの基本的な救急キット
  • 衛生手袋(薄手の医療用ゴム手袋)や医療用ハサミ

これら応急処置に必要なものをファーストエイドキットと呼びます。基本的なアイテムに加え、持病の心配や靴擦れの可能性がある人などは、自分にあった救急グッズも加えておきましょう。

登山中、外傷以外にも注意すべきこと

登山者が注意すべきことは、外傷だけではありません。遭難や病気にも注意しましょう。遭難の原因でもっとも多いものが転落や滑落ですが、その次に多いのが突然の病気によるトラブルです。意外かもしれませんが、道に迷った人よりも病気をきっかけに遭難した人の方が多いという統計結果があります。

登山中の突然死は、平地の3倍以上となっています。山岳環境によって気圧が低下することや、低酸素になることで心筋梗塞等の発症の危険性が高まっているからです。病気による突然死がその最たるもので、心臓、脳、血管などのいずれかの異変が原因の大半を占めています。不安事項がある場合は、登山前に医師に相談してみることをおすすめします。

また、運動不足も登山中の怪我や病気の原因となりえます。登山を計画する際は、登山に耐えうる体力をつけるためにも、運動不足解消に力を入れましょう。

監修協力:医療法人石井会渋川伊香保分院・いっしん 柔道整復師 前原隆哉

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