性行後に陰部のかゆみを感じるようになった場合、原因は何なのでしょうか。今回は、性交後のデリケートゾーンのかゆみについて解説します。
蒸れやこすれ、性感染症もかゆみの原因に
女性のデリケートゾーンのかゆみは多くの場合、蒸れやこすれが原因の場合が多いです。そもそもデリケートゾーンは、おりものや汗などで常に湿っている場所です。それに加え、きつい下着やパンティーストッキングで締めつけたり、生理用ナプキンやおりものシートを使ったりすると、蒸れたりこすれたりしてかゆみにつながりやすくなります。こうしたかゆみを防ぐには、通気性がよく、締めつけない下着を着用したり、生理用ナプキン・おりものシートをこまめに交換することが大切です。清潔に保つことは大切ですが、石けんなどで洗うと乾燥の原因となるので、お湯で軽く洗い流す程度にしましょう。
このようなデリケートゾーンのかゆみは、普段のちょっとしたケアで軽減できることが多いです。しかし、コンドームを使わない性行為やオーラルセックスをした後のかゆみは、感染症の可能性があるので要注意です。
かゆみを引き起こす感染症とは
デリケートゾーンのかゆみの原因になる感染症には、次のものがあります。
トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫によって起こる感染症で、主な症状は、黄色く泡だって、においの強いおりものの増加、外陰部のかゆみや灼熱感などです。感染ルートは性行為が多いのですが、風呂場やタオルの共有などで感染するケースもあります。
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスの感染によって発症する感染症です。病変部と接触することで感染するので、性器から性器だけでなく、口から性器に感染するケースもあります。発症すると、外陰部にかゆみをともなう小さな水ぶくれがたくさんでき、それが破れると激しい痛みが生じる潰瘍(かいよう)になります。また、人によっては足のつけ根のリンパ腺が腫れ、発熱などの症状も現れます。
いんきんたむし(股部白癬)
水虫と同じ白癬菌(はくせんきん)の感染によって起こる感染症です。下着の蒸れなどによっても繁殖しますが、性行為や風呂場、洋式トイレの便座、スポーツセンターなどの使用で感染することもあります。発症すると陰部やお尻などに強いかゆみが起こり、赤い発疹ができます。
カンジダ膣炎(性器カンジダ症、膣カンジダ)
カンジダ菌が膣内で増殖することで起こる膣炎です。カンジダ菌は健康な人の膣内にもいる常在菌ですが、疲れやストレス、風邪などで抵抗力が弱っていたり、生理前でホルモンバランスが乱れていたりすると増殖して炎症を起こすことがあります。カンジダ膣炎になると、カッテージチーズ状、酒かす状の白く濁ったおりものが増え、外陰部に激しいかゆみを感じるようになります。
受診の目安
デリケートゾーンにかゆみがあっても、病院で診てもらうのが恥ずかしいと感じる人もいるかもしれません。便利な市販のかゆみ止めもありますが、残念ながらあまり効果がない場合が多いです。感染症の場合は放っておくと妊娠や出産に影響するものもあるので、心あたりがある人は早めに婦人科を受診することが重要です。
特に、かゆみが何日も続く、今までと違うおりものが出る、排尿のときに痛みが生じるといった症状がある人は感染症の可能性が高いので、十分に注意してください。また、性行為による感染の場合はパートナーも治療する必要があります。泌尿器科や性病科、皮膚科を受診するように伝えましょう。
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