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胆石症

胆石症で行われる治療法について

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/25

胆石症に対する治療法は、胆石の大きさ、発症した部位、患者の体調や年齢などによって処置の方法は大きく異なります。では、具体的にはどのような手法があるのでしょうか。ドクター監修のもと、胆石症の治療についてご紹介します。

胆石症の治療方法には、薬物で胆石を溶かしたり、体外から超音波を当てて胆石を破砕したりする保存的治療と、内視鏡で胆石を取り除いたり開腹や腹腔鏡下で胆のう、胆石の摘出を行う手術治療に大別できます。一般的に、手術治療を選択する方がより重度のケースといえますが、胆石が小さく痛みが軽い場合でも、臓器に炎症が見られる場合や、患者の年齢が若く再発の恐れがある場合などは手術に踏み切ることもあるため、慎重かつ柔軟に治療方法を決めます。それでは、治療法のご紹介の前に胆石の種類とその特徴を見てみましょう。

胆石の種類とできる部位について

コレステロール胆石

臓器の一つである胆のうでは、毎日1リットルほどの胆汁が分泌されます。胆汁には、食事により摂取した脂肪分を分解する働きがありますが、コレステロールの割合が増えると胆汁のコレステロール濃度が上昇し、凝固してしまいます。この固形物がコレステロール胆石の正体です。

色素胆石

胆のうは食事とともに収縮を始め、胆汁は胆のうから十二指腸へと排出されていきますが、胆のうと十二指腸を結ぶ総胆管に胆石が形成されることがあり、この胆石を色素胆石と呼びます。胆汁に含まれる細菌が原因で、ビリルビンカルシウム石と呼ばれる成分が固形化し総胆管を塞いでしまいます。また、発症率が胆石症全体の1%程度と低いものですが、肝臓に胆石ができる場合もあります。同様に黒色石と呼ばれる胆石が総胆管や肝臓にできる可能性がありますが、こちらの発症率はビリルビンカルシウム石に比べ低く、発症の詳しい原因は究明されていません。

コレステロール胆石は胆のうにできるため、コレステロール胆石由来の病気を「胆のう結石症」と呼びます。また、色素胆石については、総胆管にできた場合は総胆管結石症、肝臓内にできたものを肝内結石症と呼びます。このように、胆石ができた部位によって病名が異なるものの、胆石が原因で起こる痛みの症状をまとめて胆石症と呼んでいます。

超音波検査が第一の発見手段

胆石の有無は、超音波検査で発見することができ、胆石を確認するための最初の診断方法となっています。健康診断などで撮影した腹部のレントゲン写真に、たまたま胆石の影が映っていて発見できたというケースもあります。胆のうにある胆石(胆のう結石)は超音波検査で発見できるものの、より微細な総胆管結石は超音波検査で判明することは困難です。そのため、MRIやCT、内視鏡から造影剤を注入してレントゲン撮影を行うERCP検査によって胆石の有無が確認できます。胆石が気になる人は、健康診断時にオプションで付けてもらうか、または人間ドックで検査してもらうとよいでしょう。

炎症の有無、胆石の大きさや、患者の状態によって変わる治療法

胆石症の治療法は、炎症の有無によって異なります。炎症が認められる場合は、まずその改善を第一に治療方法を検討し、炎症が治まった後で胆石の除去を行うことになります。一度炎症を起こすと再発のリスクが高いため、基本的には胆石の除去を行いますが、胆のう結石の場合は炎症を起こしていなければ様子を見ます。治療法は、外科的アプローチで行う手術治療と、投薬や衝撃波で治療する保存的治療に大別できます。

胆石摘出手術

胆石ができた部位が胆管の場合、炎症が起きていない場合でも胆管炎を起こしやすいため除去手術を行います。手術の方法は内視鏡的総胆管結石摘出術が一般的です。内視鏡的総胆管結石摘出術は2種類あります。

・内視鏡的乳頭括約筋切開術

バスケット鉗子という器具を十二指腸の大乳頭口から挿入し、詰まっている胆石を十二指腸に落とします。そのままの状態でバスケット鉗子を胆管に挿入することは困難なので、あらかじめ大乳頭を切開し、胆石を取りやすくする必要があります。胆石を十二指腸に落とすことでの、腸への悪影響の心配はありません。

・内視鏡的乳頭バルーン拡張術

風船を膨らませて乳頭口を拡張することで、バスケット鉗子で胆石を取りやすくし、十二指腸に胆石を落とします。

この他に、肝臓を通し胆管に針を刺して通路をつくり、そこから胆道鏡という器具を挿入して胆石を取り除く方法もあります。

胆のう摘出手術

胆のうにできた胆石が大きい場合や多数点在している場合、年齢が若く、今後胆石症を発症する可能性が高いと見られる場合などは、手術に踏み切ることになります。胆のう結石の手術の場合は、基本的に胆のうを全摘出することになります。特に患部に炎症が見られる場合、胆のうがんを併発するリスクが高まることからも摘出が望ましいとされています。

手術方法としては、体に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下手術が第一選択となっており、体への負担が少なく、術後の早期退院が可能となっています。しかし、胆のうに強い炎症が見られる場合や、胆のう癌(がん)の疑いがある場合は開腹手術を選択します。腹腔鏡下手術の場合、モニター越しに患部を見ながら施術するため、体内の脂肪分が多く、臓器・器官と胆石との見分けが難しい場合、誤って総胆管や他の臓器を傷つけ出血させてしまうこともあります。このため、腹腔鏡下手術中に損傷が発生した場合は、急きょ開腹手術に切り替えることもあります。

保存的治療(溶かせる胆石と壊せる胆石)

純度の高いコレステロール胆石の場合、成分のほとんどが脂肪であることから、胆汁酸を服用することで胆石を溶かすことが可能です。ただし、薬で溶かせるのは大きさが10~15mm未満の胆石で、それ以上の大きな胆石や、コレステロールの純度が低く石灰化が進んだ胆石に関しては、次に紹介する衝撃波を与えて結石を破砕する方法が用いられます。なお、薬で治療を試みる場合、平均して6~12か月の間飲み続ける必要があります。同時に胆のうの機能が正常であることが求められる上、投薬だけでは完全に胆石を除去することは難しく、再発した例も報告されています。

大きさが20mm以下のコレステロール胆石の場合は、体外衝撃波結石破砕療法(以下、ESWL)と呼ばれる、衝撃波を腹部に当てて胆石を破砕する方法も取られます。また、衝撃波で細かくした後に薬で溶かす合わせ技が用いられることもあります。薬や手術とは違い、副作用や体への負担が少ないことがESWLのメリットではありますが、コレステロールの純度が低いと効果が弱まる(石灰質は破砕しにくい)、破砕片が体内に残ってしまうため再発の恐れがある、というデメリットもあります。これらの保存的治療はコレステロール結石のみが対象となっています。

胆石症の手術方法について、詳しくは『胆石症の手術方法について』よりご確認いただけます。

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