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耳痛

耳の奥が痛い原因は?頭痛や喉の痛み、ストレスは関係ある?

更新日:2018/07/06 公開日:2016/11/18

森本雅太先生

この記事の監修ドクター

森本耳鼻咽喉科 院長

森本雅太先生

耳の奥が痛いのは、何が原因なのでしょうか。耳が痛むのだから耳が原因と思いがちですが、実は顎、喉、歯、神経など耳以外が原因になっていることもあります。ここでは、耳の痛みを引き起こす代表的な病気についてドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
耳の痛みは、耳だけは原因ではなく、喉、顎、歯などから神経を伝って痛んでいる可能性もある
耳の痛みの原因を見つけ出すためには、医師に耳のどこが痛いか、どんな痛みか、他にどんな症状があるかをきちんと伝えるのが大事

耳の奥が痛い女性のイメージ写真画像

「耳が痛い」と訴えて耳鼻咽喉科を受診する人は少なくありません。耳が痛むのだから耳が原因と思いがちですが、実は顎、喉、歯、神経など耳以外で起きている病気が原因になっていることもあります。なかにはストレスなどによる心因性の可能性もあります。ここでは、耳の奥に痛みを引き起こす原因や病気について、ドクター監修のもと詳しく解説します。

耳に原因がないのに、なぜ耳が痛くなる?

耳に何らかの病気が起こって痛くなるのは理解しやすいですが、顎、喉、歯など耳以外が原因で耳が痛くなるのは不思議に思うのではないでしょうか。この理由は、耳の中や近くを通る神経にあります。

耳が痛みを感じるのは、そこを通っている神経が刺激を受けて興奮するからです。耳を通る神経は、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、顎神経などがあり、これらの名前から想像できるように、頭部周辺のさまざまな部位とつながっています。

歯や顎、副鼻腔には三叉神経が、扁桃腺や舌の付け根には舌咽神経がそれぞれつながっています。例えば、虫歯で歯の神経が刺激を受けると、三叉神経を通じて耳の方に放散して痛みを感じるということがあります。三叉神経が痛むと頭痛のように感じることもあります。

耳の奥には中耳と内耳がありますが、中耳は舌咽神経の一部が通っており、内耳は痛みを感じる神経が通っていません。耳の奥の痛みということであれば、もしかすると舌咽神経が刺激されているのかもしれません。しかし、痛みの感じ方は人によって異なるので、単純には判断がつきません。医師は問診や検査の結果から、可能性のある部位と病気を検討していくことになります。

耳の奥が痛い原因を知るために大事なこと

このように、耳の痛みは耳だけではなく顎や歯、喉などさまざまな部位が原因である可能性がありますから、病院に行ってただ「耳の奥が痛い」と言うだけでは、原因を探すことが困難です。下記のような情報を医師に伝えるようにすると、正解に辿り着くための大きな手助けになります。

  • 耳のどこが痛いか:奥の方、手前の方、後ろの方、下の方、など
  • どんな痛みか:ピリッと刺すような、ズキズキと拍動、ズーンと重い、など
  • 他にも症状があるか:頭痛、喉の痛み、口を開けると痛い、唾を飲むと痛い、肩こり、めまい、耳鳴り、歯の痛み、扁桃腺の腫れ、耳だれ、鼻水、鼻づまり、発熱、だるさ、など
  • 他に病気があるか:虫歯、中耳炎、糖尿病、外傷(ケガ)、手術歴、など

以下、耳が痛いときに考えられる病気を、耳が原因の場合と、耳以外が原因の場合に分けて紹介します。ここでは代表的なものをあげているだけで、実際に診断をするためには耳鼻咽喉科などの病院に受診する必要があります。あくまで参考程度にご覧ください。

耳が痛いときに考えられる病気(耳が原因の場合)

耳の中に原因があって、耳が痛む病気の代表的なものには下記のようなものがあります。これらのいくつかについて詳しく解説します。

  • 中耳炎
  • 外耳道炎
  • 鼓膜穿孔
  • 耳性帯状疱疹
  • 先天性耳瘻孔感染症
  • 外耳道異物
  • 耳管開放症
  • 外リンパ瘻
  • メニエール病

急性中耳炎

急性中耳炎は、鼓膜の内側にある中耳に侵入した細菌やウイルスによって炎症が起こる病気です。乳幼児に多いのが特徴です。中耳炎は耳管から感染する場合が多く、上気道炎や両側同時に鼻をかんだり、鼓室に水が浸入することが原因で起こります。急性中耳炎を発症すると、38℃前後の発熱や耳の痛みなどの症状が現れます。

耳性帯状疱疹

神経内に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで起こるのが帯状疱疹です。帯状疱疹は体幹に出ることが多いですが、顔面神経に潜伏したウイルスが再活性化すると耳の中で起こることがあります。発症する前に耳が痛くなり、やがて顔の半分が麻痺したり、紅斑や水疱が出てきます。

メニエール病

メニエール病は、耳の奥の痛みや耳鳴り、難聴をともない、めまいと吐き気の発作がくり返し起こる病気です。睡眠不足、疲労、気圧の変化、几帳面な性格やストレスなどで、内リンパ液の量の調整ができなくなると、内リンパ水腫ができて神経が圧迫されることが原因です。

耳が痛いときに考えられる病気(耳以外が原因の場合)

耳以外の場所に原因があって、耳が痛む病気も数多くあります。代表的なものを紹介します。

  • 顎関節症
  • 咽頭炎
  • 三叉神経痛
  • 舌咽神経痛
  • 虫歯
  • 茎状突起過長症
  • 心因性(ストレス、メンタルヘルスの悪化)

顎関節症

口を大きく開けられない、顎がカクカクと音がして痛い、ものが噛みにくいといった症状が現れるのが顎関節症です。顎関節症が進行すると、口を大きく開けようと無理をしたときなどに、痛みが耳まで伝わるようになります。また、耳鳴りや、聴力の低下などを訴える患者もいます。顎関節症は、強い力が顎の関節にかかって起こります。たとえば、歯の噛み合わせが悪い、歯ぎしりや歯を強くかみしめるくせがある、ストレスによって無意識のうちに歯を食いしばっていたりすると、顎に過剰な力をかけてしまいます。

急性咽頭炎

急性咽頭炎は、何らかの理由で喉の粘膜に炎症が生じたものです。咽頭炎を発症すると、のどにヒリヒリとした痛みを感じる、ものを飲み込むときに喉の痛みが生じる、咳や痰が出るといった症状のほか、喉の痛みが耳に伝わって、耳の奥が痛むことがあります。原因は色々ありますが、ウイルスや細菌の感染によるもの、物理的・化学的な刺激、鼻炎からの波及などがあります。

舌咽神経痛

舌の根元や扁桃腺(口蓋扁桃)に刺激が加わると、そこを通っている舌咽神経が刺激を受けて、耳の奥や肩が痛むことがあります。扁桃腺に炎症が起きて腫れていたり、扁桃腺の手術をした後であったり、舌の根本にできものができている場合などに起こります。

参考文献

  1. ・浦野正美. 耳痛(耳が痛い). 見逃してはいけない 耳・鼻・のどの危険なサイン. 中山書店 2016; 2-7

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