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コーヒー

コーヒーに秘められた健康効果とは

更新日:2016/12/20 公開日:2016/12/15

北川みゆき

この記事の監修専門家

管理栄養士

北川みゆき

身体によくないから一転して、最近は身体によいという研究結果が発表され始めたコーヒー。がんや心臓・呼吸器の病気などのリスクを下げるというコーヒーの健康効果について、管理栄養士監修の記事で解説します。

2015年5月、国立がん研究センターが発表した、コーヒーを毎日飲む人は死亡率が下がるという研究結果が、コーヒー党を喜ばせました。コーヒーは身体に悪く、特定のがんになりやすいという過去の説を覆すものだったからです。さて、本当のところはどうなのでしょうか。

コーヒーは心臓病のリスクを軽減する?

まず、国立がん研究センターの研究内容を整理してみましょう。

センター内で研究に従事したのは、多目的コホート研究(JPHC研究)というチームでした。このチームでは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防や健康寿命の延伸に役立てることを目的としています。

1990~2011年まで、岩手県から沖縄県に至る男女9万人(当時40歳~69歳)を追跡調査しました。この人たちは、調査開始段階で、がんや循環器疾患(心臓病など)になっていなかった、いわゆる健康な人です。

研究開始時に、コーヒーを飲む頻度から、ほとんど飲まない、1日1杯未満、毎日1~2杯、毎日3~4杯、毎日5杯以上飲むという5つの群に分け、その後の全死亡および、がん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、外因による死亡との関連を分析しました。追跡調査中には、12,874人が死亡しています。

コーヒーをほとんど飲まない群を基準として比較すると、1日1杯未満、毎日1~2杯、毎日3~4杯、毎日5杯以上飲むの群の危険度(95%信頼区間)は、それぞれ全死亡で0.91、0.85、0.76、0.85でした。

つまり、コーヒーを毎日3~4杯飲む人の死亡リスクは、ほとんど飲まない人に比べ24%低いことがわかりました。さらに、飲む量が増えるほど危険度が下がる傾向が、統計学的有意に認められています。研究開始から5年以内の死亡例を除いた場合や、男女別の場合も検討し、コーヒーと死亡リスクとの間には、同様の関連がみられました。

コーヒーはがんのリスクを軽減する?

同じく、国立がん研究センターの研究で、コーヒーとがんの罹患率について、以下のような評価がわかってきています。

  • 肝臓がんのリスクを下げる効果=ほぼ確実
  • 子宮体がんのリスクを下げる効果=可能性あり
  • 大腸がん、子宮頸(けい)がん、卵巣がんのリスクを下げる効果=データ不十分

なお、ほぼ確実、可能性ありといった言葉は、科学的根拠としての信頼性の強さを示す指標です。もっとも信頼性が高い評価は、順に確実、ほぼ確実、可能性あり、データ不十分となります。

これは、コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人は肝臓がんの発生リスクが約半分に減少するという研究結果に基づいています。1日の摂取量が増えるほどリスクが低下し、1日5杯以上飲む人では、肝臓がんの発生率は4分の1にまで低下していました。コーヒーをたくさん飲む人では、肝臓がんの発生リスクが低くなるのは、おそらく事実と考えられます。

世界のがん研究をとりまとめとめている米国がん研究機構による最新の要約を見ても、肝臓がんのリスクを下げる飲み物としてコーヒーが浮上しています。肝臓がんの最大のリスク要因である肝炎ウイルス感染の有無で分けても、同じように肝臓がん発生リスクが低くなることがわかっています。

子宮体がんについては、2008年の多目的コホート研究の結果から1日1~2杯、3杯以上飲むグループでは、罹患リスクが低下しているという結果があり、他の研究結果からも、可能性ありと分類されています。

大腸がんについてはデータ不十分となっていますが、がん予防に効果的な部位も示されており、コーヒーを適度に飲むことは予防的な手段のひとつと判断してもよいでしょう。

コーヒーが病気を予防するのはなぜ?

コーヒーにはポリフェノールの一種である抗酸化物質のクロロゲン酸が豊富に含まれています。クロロゲン酸には、血糖値の抑制をするほか、活性酸素を消去することでコレステロールを抑制し、胃液の分泌を促す効果などがあります。

一方、肝臓がんや子宮体がんは糖尿病を発症するとかかりやすくなるがんであることが判明しています。コーヒーに含まれているクロロゲン酸を継続的に摂取することで、糖尿病のリスクが下がり、がんにも予防的に働いているのではないかと考えられます。

コーヒーは糖尿病予防効果と抗酸化作用の両面から、がんを抑制する働きをしていると、現段階では推測されます。

コーヒーを飲むことで怖い病気のリスクが低くなるのはありがたいことです。この分野はまだ研究途上でもありますので、今後、新たな知見の発表もあるかもしれません。日頃から、情報には敏感になっておきたいものです。

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