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喘息

解熱鎮痛薬を飲むと起こるアスピリン喘息とは

更新日:2017/04/11 公開日:2017/04/11

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長

大利昌久先生

この病気・症状の初診に向いている科
呼吸器科

喘息患者の中には、10〜20人に一人の割合でアスピリン喘息患者がいるといわれています。では、アスピリン喘息とはどのような喘息でしょうか。ここでは、アスピリン喘息の症状や原因、さらに治療方法などに関する情報を医師監修記事でお届けします。

アスピリン喘息は通常の喘息との違いがわかりにくいため、自己判断は禁物です。どのような症状が現れるのか確認していきましょう。

アスピリン喘息とは

アスピリン喘息は、アスピリンに限らず解熱鎮痛薬全般の使用時に、体が過敏に反応して喘息症状がでる体質を指しています。名称からはアスピリンだけに反応する過敏症とイメージされがちなため、医学的により正しくはNSAIDs(解熱剤鎮痛薬)不耐症という名称が用いられます。男女比では2:3の割合で女性にやや多く発症します。10歳以下の子供に発症するのはまれなのも特徴の一つです。

気管支喘息との違い

気管支喘息は、空気が通る気道に炎症が起きて、さまざまな刺激に発作的に気道が狭くなる病気です。原因としてはダニやハウスダスト、ペットのフケやカビなどに反応してアレルギーを起こします。対策としては、血液検査などでアレルギー体質かどうかの検査をし、原因となっているアレルギー物質を避けることで発作が起きないように対策が必要です。

こうした気管支喘息の患者の中には、解熱鎮痛薬の服用がきっかけとなってアスピリン喘息にかかる人がいます。特に発作や入退院をくりかえすほどの重症な喘息を抱えている患者の場合には30%以上の確率でアスピリン喘息にかかる可能性があるため、解熱鎮痛薬の使用には注意が必要です。こうした点を考えると、もともと喘息の診断を受けている人は普段から解熱鎮痛薬の独断での使用は控え、服用する前には主治医や専門医に確認することをおすすめします。

アスピリン喘息の症状

軽症の場合

アスピリン喘息の軽症の場合の症状ですが、内服から一時間以内に鼻症状(鼻汁と鼻づまり)、激しい咳、さらに息苦しさといった喘息発作の症状が出ます。ただし、貼り薬や塗り薬が原因の場合は、服用から数時間後に発作がでることもありますので、注意が必要です。また、はじめは軽症のように感じても、過敏症状のピークは症状が出始めてから2〜3時間後にくるため、油断せずに重症になる前に対処するようにしてください。

重症の場合

重症の場合には、軽症の場合の症状に加え、顔が紅潮したり、結膜の充血が見られることがあります。さらに、下痢や腹痛といった消化器症状が現れることもあります。重症の症状がみられる場合には命の危険を伴うような、深刻な喘息症状へとつながる可能性もありますので、早期対応が必要です。特に普段から喘息をたびたび起こしている人の場合は過敏症状も強く出ることがあるので、我慢せずに原則的に救急車を呼ぶようにしてください。

アスピリン喘息の原因

アスピリン喘息にかかりやすい人にはいくつかの特徴があります。たとえば、大人になってから喘息を発症した人で、発作を繰り返すような重症の患者のあいだでアスピリン喘息も併発する人が多いです。もともと喘息を持っていない人は、原則的にアスピリン喘息にかかることはありません。

また、副鼻腔炎(ふくびくうえん:蓄膿症)を患ったことのある人や、鼻たけ・鼻ポリープの患者、また嗅覚が低下しているような人にはアスピリン喘息が多いことも報告されています。さらに、過去に喘息発作が起きた時の原因物質が歯磨きや香水のにおいだった人に、アスピリン喘息が起きやすいことも知られています。

アスピリン喘息の治療

急性期

基本的には、通常の喘息発作と同じ対応がなされます。急性期には急激に症状が悪化するので、迅速な治療が求められます。手順としては、まずSpO2(エスピーオーツー:酸素濃度)のモニタリングを行い、十分な酸素の確保が行われます。その後アドレナリン筋肉内注射が試みられます。さらに、アミノフェリン、ステロイド、抗ヒスタミン薬などの薬剤を用いることもあります。

慢性期

慢性期の治療も通常の喘息発作に対する治療が行われます。吸入ステロイド、抗ロイコトリエン薬、クロモリンなどの薬剤を使用した投薬治療のほか、喘息症状を安定させるために副鼻腔炎の治療がなされることもあります。

アスピリン喘息の予防

基本的なアスピリン喘息の予防として、アスピリン喘息を引き起こす原因となりうる、すべての原因物質を避ける必要があります。なお、アスピリン喘息は解熱鎮痛剤だけでなく、風邪(かぜ)薬、さらには食品・医薬品添加物、香水や香料などの化学物質、自然界のサリチル酸化合物を含む野菜や果物(イチゴやキュウリ、パイナップルにアーモンドなど多岐に渡る)に反応することもあるので、十分注意が必要です。喘息患者の方は予防策として、アスピリン喘息を引き起こしかねない物質や食品など、専門医に確認したうえで摂取するようにおすすめします。

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