腕は、どうしても紫外線の影響を受けてシミができやすいので、日ごろから紫外線対策をすることが大切です。シミができたときは、すぐにクリニックで治療を受けましょう。
腕にできるシミの種類
夏場は肌の露出が増えることで、紫外線を浴びやすい腕にはシミができやすくなります。日焼け止めを塗っても、汗や手洗いなどによって落ちてしまうため、紫外線を防ぐことが困難です。適切にケアするためにもシミの種類を特定することが先決です。
老人性色素斑
別名、日光性色素斑、日光黒子とも呼ばれ、加齢とともに現れやすくなるのが特徴です。紫外線をくりかえし浴びる、または長時間浴びることでメラニンが過剰に生産され、排出しきれなくなってシミとして表皮に留まります。一般的には30~50代で現れますが、紫外線の浴び方によっては20代でも現れます。顔の中心よりも頬などに現れやすく、場合によっては脂漏性角化症を起こします。
脂漏性角化症
80歳以上のほとんどの人にみられる皮膚の老化現象の一つです。原因は老人性色素斑と同じで、紫外線が真皮に届かないようブロックするメラニン色素が過剰に生産され、シミとして残ります。そして、表面が硬くなったりザラザラになったり、あるいは盛り上がったりして脂漏性角化症になります。
光線性花弁状色素斑
二の腕から肩にできやすいシミで、日焼けのあとに水ぶくれができ、そのあとに現れます。花が開いたような形をしており、複数箇所に現れやすいのが特徴です。強烈な紫外線を浴びることで水ぶくれができるので、予防には紫外線対策が有効です。水ぶくれの段階で冷やして、クリニックで適切な治療を受けることが大切です。
炎症性色素沈着
やけどやケガなどによって皮膚に炎症が起こり、そのあとに現れるシミです。強い炎症が原因なので、炎症の原因を解消させることが大切です。
腕のシミを隠す方法
シミは、すぐに消えるものではありません。露出している部分にシミができた場合は、ボディ用のファンデーションを塗って隠しましょう。汗や水に強いので、腕のシミを隠すのに向いています。また、服に色移りしにくいのもメリットの一つです。
腕のシミの治療
クリニックでは、ハイドロキノンやトレチノインといったシミの改善に効果が期待できる成分を含む外用剤を使用するケースもあります。ハイドロキノンには、メラニンの生産に関わる酵素の働きを阻害する作用と、メラニン色素を生産するメラノサイトに働きかけてメラニン色素を減少させる効果が期待できます。炎症後色素沈着や老人性色素斑などの改善するケースがあるからです。しかし、肌の奥深くにまで及ぶ色素沈着に対しては、十分な効果が期待できません。
トレチノインは、細胞分裂を活性化させて肌の新陳代謝を促進させる作用があるといわれています。老人性色素斑は、過剰なメラニン色素が排出しきれないことで現れるので、トレチノインによって改善が期待できるといわれています。効果が現れないケースもあるので、効果を確認するためにも定期的な受診が必要です。1~3か月は治療を続けることになるでしょう。治療中は日焼け止めを必ず併用し、トレチノインは妊娠中の人に使えないなど注意点がいくつかあります。
レーザー治療
シミにレーザーを照射することで改善が期待できます。シミの種類や濃さによって施術回数が異なります。レーザーを照射した後は皮膚が一時的に弱くなっているため、念入りにスキンケアを行い、日焼け対策を行う必要があります。
腕のシミを防ぐための紫外線対策
紫外線を避けることが大切なので、アームカバーなどで対策しましょう。手の甲は露出しやすく、メイクによる紫外線のカットもできないので、特にシミができやすい部分です。そのため、手の甲までカバーできるタイプのものを選ぶことが大切です。
日焼け止め
日焼け止めクリームは顔に塗っても腕や首に塗り忘れるという人もいるでしょう。腕や手の甲にも塗ることを習慣づけましょう。シミは一度できると改善に時間がかかりますが、日焼け止めを毎日欠かさず塗ることで、紫外線が原因のシミが発生しにくい状態を作ることができます。
日焼け止めは1日の終わりに落とす
ボディソープで洗うだけでは、日焼け止めの成分を十分に落とすことができません。顔のメイクを落とすときと同様にクレンジングをしましょう。ボディクレンジングには、ジェルかミルクタイプのクレンジング剤がおすすめです。クレンジング剤と水を混ぜてしまうと、クレンジング効果が低くなるので、必ず乾燥した手にとって乾いた腕に塗りましょう。肌の上で滑らせるように塗り、やさしくクレンジングしていきましょう。その後は、シャワーでしっかりと洗い流します。
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