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副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻づまりが治らないのはなぜか

更新日:2019/08/26 公開日:2017/03/24

森本雅太先生

この記事の監修ドクター

森本耳鼻咽喉科 院長

森本雅太先生

鼻づまりが治らない場合、副鼻腔炎(蓄膿症)にかかっているのか、風邪やアレルギーによるものなのかを知りたいというとき、自覚症状から原因を探ります。蓄膿症の場合の治療法もあわせて、ドクター監修の記事で解説します。

鼻づまりは風邪を引いていなくても起こる場合があります。鼻づまりや粘りのある鼻汁、においがわからない、頭痛があるなどの場合は要注意です。病院へ行かないで放っておくと症状が進行してしまうこともあるので、早期に治すことが大切です。

鼻づまりの原因

鼻づまりが起こる原因は、下記の3つに大きく分けることができます。

鼻の中に膿が溜まっている

細菌が副鼻腔内に入って感染し、鼻の粘膜が炎症を引き起こして腫れます。そして空気の通りが悪くなり、膿が溜まるのが原因です。副鼻腔とは、鼻の周りにある4つの空洞のことです。

アレルギーなどで鼻の粘膜が腫れている

体内に入った細菌や花粉、ハウスダストなどのアレルギー物質が鼻の粘膜について抗体が作られ、再び鼻から抗原とされる異物が入るとアレルギー反応が起こります。くしゃみや鼻水、鼻づまりが発生します。花粉症やアレルギー性鼻炎などの状態です。

鼻の骨の構造による

鼻中隔(びちゅうかく)という、鼻の左右を分けている仕切りが曲がっていたり、鼻の中に飛び出ている下鼻甲介が腫れて厚くなったりするなどして、鼻の通りが悪くなって炎症が起こります。

鼻づまりがなかなか治らない原因

正常な状態であれば膿を出す自浄作用が働きますが、副鼻腔に膿が溜まって膿が外に出ない状態になり、溜まった膿が原因で、さらに鼻の粘膜が腫れ上がります。その結果、鼻たけというポリープができてしまいます。

副鼻腔炎とは

細菌による感染で副鼻腔に炎症が起こり、膿ができて外に膿を出せなくなって溜まり、鼻腔と副鼻腔の間が狭くなります。そうすると空気の循環が悪くなりふさがってしまいます。鼻づまりが1週間以上続く状態になると、急性副鼻腔炎と考えられます。主な症状は頭痛や顔面痛です。

蓄膿症とは

蓄膿は副鼻腔炎と同じことを指します。急性副鼻腔炎が治らずに長期に渡っても続いている場合や、治ってもまたすぐに発症する場合は、蓄膿症と考えられます。目安としては、3か月以上副鼻腔炎が続いて慢性化した状態です。

蓄膿症によく見られる症状

  • 鼻水の量が多くなり、ドロッとした粘りのある鼻水が出る。
  • 鼻水が黄色や緑色をしている。
  • 鼻をかんでもかんでも残っている感じがする。
  • 口や鼻が臭くなるなど嫌なにおいがする。
  • 頬や目の周りなどの顔面痛や頭痛がする。
  • いつも鼻がつまっていて、においがわからなかったり、鼻声になったりする。
  • 虫歯でなくても歯が痛い

蓄膿症の診断・検査

病院での検査は、耳鼻咽喉科で行います。内視鏡や、レントゲン、CTによる検査を行います。

  • 内視鏡による検査

最も一般的な検査で、内視鏡についているカメラで、鼻腔内や副鼻腔内の状態を見て蓄膿症かどうか診察します。

  • CT検査

内視鏡で検査できない場合や、より詳しい検査が必要な場合は、CT検査を行います。副鼻腔の膿や粘膜の腫れ以外に、膿や鼻汁を排泄する排泄路が開いているかどうかを正確に知ることができます。

  • レントゲンによる検査

通常、空洞となっている副鼻腔は黒く写りますが、膿が溜まった蓄膿症の状態であれば白く写りますので、それで蓄膿症かどうかを判断します。

蓄膿症の治療法

治療には、保存療法と手術療法の2つに大きく分けられます。

  • 保存療法

保存療法には、洗浄と薬物療法があります。洗浄は、専用の機器で鼻のつまりを吸引して鼻の中を洗うという方法です。薬物療法は、マクライド療法が一般的に行われています。マクライド系の抗生物質を少量、1~2か月間内服し続けます。通常の抗生物質と違い、副鼻腔の中の細菌を殺す他に、粘膜の抵抗力を上げることもできます。その他に、ネブライザー療法もあります。専用の機械で薬を霧状にして、鼻や口から吸いこむという方法です。炎症を和らげ、原因菌を殺菌して症状が徐々に改善するようにします。

  • 手術療法

手術療法は、投薬で治らなかった場合や、鼻たけ(ポリープ)ができていて排泄路が開いていない場合に行います。内視鏡による手術が一般的で、患部を切除しますが歯茎や顔の皮膚を切開せずに済みますので、日帰りで行うことが可能です。この場合の手術時間は状態にもよりますが、1時間ほどで済みます。鼻中隔が曲がっている場合は、まっすぐにする手術をして空気の通りをよくします。

好酸球性副鼻腔炎とは

20年ほど前から増加してきた副鼻腔炎で、好酸球(こうさんきゅう)という白血球の一種が副鼻腔に蔓延して発症します。鼻の粘膜を観察し、鼻水の中に好酸球が含まれているかどうかを診察します。気管支喘息、アスピリン不耐性、薬物アレルギーの方に発症しやすい傾向があります。副鼻腔炎の患者全体の1%程度の患者数で、2015年に指定難病に指定されました。現在のところ、主に成人の発症しか確認されていません。

好酸球性副鼻腔炎の症状

気管支喘息の合併症がある、においがしない、またはわかりにくいという症状の他、鼻たけという良性のポリープが多発するという特徴があります。

好酸球性副鼻腔炎の治療法

治療は投薬と手術の2つに分けられます。

  • 投薬治療

抗生物質は効果がないので、ステロイド剤を使用します。鼻たけは、ステロイド剤で縮小するので鼻づまりが改善され、治療に有効とされています。

  • 手術

鼻たけを手術で取り除くという方法です。内視鏡による手術で、体への負担は少ないです。

鼻づまりが治らない場合は病院へ

重症の蓄膿症にかかっているのに長年放置していると、命にかかわることもあります。副鼻腔は目や脳の近くにありますので、炎症がひどくなると脳にも及ぶ場合があります。その他にも、上顎がんを発生しやすくなると考えられています。上顎がんは、4つの副鼻腔の空洞のうちの鼻腔の脇にある上顎洞から発生するがんです。初期には症状が出にくく、鼻づまりの他に鼻出血や歯痛、頬の腫れ、視力障害などの症状が左右片方だけに現れる場合は、注意が必要です。まずは耳鼻咽喉科で診察を受けるようにしてください。

子供の場合

鼻づまりや鼻だれ以外にも、いつも口呼吸していたり、鼻をすすっていたりしたら、注意が必要です。炎症が原因で発熱することがよくあるので、蓄膿症にかかっていても風邪と間違えやすいです。風邪薬が効かない場合は、耳鼻咽喉科で診察してもらいましょう。蓄膿症にならないためには、マスクをして風邪をひかないようにする、掃除をして室内の空気をきれいにするなどの対策があげられます。鼻うがいも予防におすすめだといわれています。

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