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手足口病

「大人の手足口病かもしれない」と思ったらすべきこと

更新日:2018/06/08 公開日:2017/03/28

手足口病にかかった子どもを看病していたら、自分の手足にも発疹が出てきてしまった…。こんなときは「大人の手足口病かも」と心配になってしまいますよね。手足口病にかかるのは圧倒的に子どもが多いですが、まれに大人でも発症することがあります。大人の手足口病ではどんな症状が出るのか、どう対処したらいいのかを詳しく説明します。

◎短くポイントをまとめると
大人が手足口病にかかると、子どもより重い症状が現れることがある
発疹(水疱、丘疹)や口内炎ができる。発熱、上気道炎、下痢、髄膜炎、爪の変形などが起こる場合も
本当に手足口病であるかを見分けるためにも、病院(皮膚科、内科など)の受診を
早く治すためにもしっかりと休養を取ることが大切。仕事を休むかどうかは医師と相談して決める

大人の手足口病の男性とその子ども

基本的に手足口病は子ども(特に5歳以下の乳幼児)が約90%を占める「小児の病気」であり、大人がかかることはまれです。しかし、感染している子どものオムツ交換をした後、手指の洗浄が不十分だと、ウイルスが口から入り込んで感染するなど、家庭内でうつることがあるといわれています。

大人の手足口病の症状はどれだけつらい?

では、大人が手足口病になるとどのような症状が出るのでしょうか。大阪府立公衆衛生研究所が成人での手足口病の症例を報告しているので紹介します[1]。

8歳と2歳の子どもを持つ38歳の働くお母さんの事例です。ある日、2歳の子の腕やお尻、ふとももに小さなブツブツがたくさんできて、近くの病院にかかり、風邪と診断されました。その子の発疹は2日後に治りましたが、その頃、お母さんの手のひらに水ぶくれ(水疱)がポツっと1つだけでき、口内炎もできました。その翌日には手足の水疱が増えており、翌々日には手の水疱が8つまで増え、口内炎も10か所以上になり、痛くて食べ物が食べられない状態になりました。それから数日間は流動食しか食べることができないほどでしたが、発症してから約1週間で症状が改善し、通常のご飯が食べられるようになりました。それから数日後には水疱がすべて消えました。

この事例では後ほど行われた検査で、実は2歳の子は手足口病にかかっていたことがわかりました(通っていた保育所では手足口病が流行していました)。しかし、病院でも風邪と診断されるくらい症状が軽く、発症から2日後には治っています。このお母さんはこの子からウイルスに感染したものと考えられており、同じウイルスに感染しているのですが、お母さんの方は発症から完治するまでに10日ほどかかってしまいました。

このように、大人が手足口病にかかると、子どもより重い症状が現れることがあります。

大人の手足口病の症状

先ほど紹介した事例はあくまで一症例ですので、大人の手足口病がすべて同じような症状が現れるというわけではありません。一般的に、手足口病にかかると出るといわれている症状をお示しします。

発疹(水疱や丘疹)

手のひらや足の裏に水疱がみられます。手や足の甲、肘、膝、尻などにも出ます。初期には赤みをともなったブツブツ(丘疹)があらわれ、やがて灰白色の水疱に変わっていきます。大きさは数mm~米粒大です。水疱を押すと痛みを感じます。かゆみが出ることもあります。水疱が破れると潰瘍(かいよう)となり、強く痛むようになります。

口内炎

口の中で潰瘍ができてしまうと、アフタ性口内炎のような状態になります。主に口の天井部分(軟口蓋や硬口蓋)に発生します。痛みのために食欲不振になってしまうことも多いです。

発熱、全身のだるさ

子どもの手足口病では熱が出てもそれほど高くなることはありませんが、大人の場合、まれに高熱が出ることがあります。また、倦怠感(だるさ)、筋肉痛などの症状が出ることもあります。

上気道炎、下痢、髄膜炎、爪の変形など

この他にも、風邪のような症状(上気道炎)、消化器症状(下痢)などが起こることがあります。まれですが、悪化すると髄膜炎や脳炎などになることもあります。また、原因ウイルスの種類によっては、手足口病が治ってしばらくしてから爪の変形や脱落が起こるケースもあります。

大人の手足口病について詳しくは『大人の手足口病の症状と治療、予防法』をご覧ください。

大人の手足口病になったらどうすればいい?

手足口病の原因ウイルスには、残念ながら特効薬はありません。身体の免疫システムがウイルスを退治するまで安静に過ごすことが必要です。それまでのつらい症状を抑えるために対症療法が行われます。例えば、脱水に対する点滴や、口内炎に対する痛み止め、かゆみに対する抗ヒスタミン薬、下痢に対する整腸剤などです。

病院に行く必要はある?

それでは、病院に行く必要がないと思われるかもしれませんが、やはり一度は皮膚科や内科を受診するようにしてください。なぜならば、本当に手足口病であるかを見分ける必要があるからです。冒頭でもお伝えした通り、手足口病は大人がかかることは多くなく、手足口病だと思っていたら実は別の病気だったということもあり得ます。

例えば、細菌感染や薬剤によって発熱し、手足に発疹が出る多形紅斑のような病気もありますし、熱がなくて手足に発疹が出る病気には汗疱や掌蹠膿疱症、水虫(白癬)などがあります。手足口病と似ている病気について詳しくは『多形滲出性紅斑はうつる?原因や治療法は?』『水虫に似ている!?菌は存在しない汗疱性湿疹の原因とは』『掌蹠膿疱症の原因・症状・治療法』『水虫(足白癬)の症状』『「手水虫」の特徴、原因、対処法』を参考にしてください。

自宅療養のポイントは?

先ほど説明した通り、手足口病を治すには自分の免疫にしっかり働いてもらう必要があります。免疫がうまく働けるのはリラックスしているとき。無理に仕事に行ったり、いつものように家事をこなそうとすると、かえって長引いてしまう可能性があります。早く治すためにもしっかりと休養を取ることが大切です。

また、手足口病では口の中に潰瘍が生じ、飲食する際に痛みをともないます。そのため、意識的に水分をとらないと脱水症状に陥ることがあります。少量でいいので、こまめに水分をとるようにしましょう。食べ物も、無理に固形物を食べる必要はありません。ゼリー状の栄養補助食品などを活用しましょう。

手足口病にかかったら、仕事は休むべき?

手足口病にかかると、仕事を休まなければいけないのかと考える人もいると思います。結論からいうと、法的には休む義務はありません。大人の手足口病では重症度が人によって異なるので、仕事を休むかどうかは医師と相談して決めるのが最もよい方法です。

なお、職場によっては感染症に対する対応マニュアルが用意されているかもしれません。会社の管轄部署に確認してみましょう。

まわりの人にうつさないようにするには?

手足口病の患者からは2~4週間ほど便と一緒にウイルスが排泄されています。患者および一緒に生活している人は、家族内感染をふせぐためにも、いつも以上に手洗い・うがいを心がけてください。エンテロウイルスはアルコール消毒がきかないため、石けんと流水での手洗いが大切です。なお、次亜塩素酸による消毒は有効です。

また、感染者の便やよごれものに直接触れないようにしましょう。トイレ掃除など、触れる可能性が高い場合は使い捨てゴム手袋を使用するなどの感染対策が大切です。

参考文献

  1. [1]山崎謙治ほか. エンテロウイルス71型による手足口病の成人例 (2010年5月). 大阪健康安全基盤研究所ホームページ
  2. http://www.iph.osaka.jp/s007/020/020/050/030/20180105092000.html (参照2018/06/08)

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