スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

梅毒

梅毒にかかったら生じるしこりについて

更新日:2018/06/25 公開日:2017/03/31

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長

大利昌久先生

この病気・症状の初診に向いている科
性感染症内科

梅毒は感染してから発症までに約3週間の潜伏期間があります。そのため、性器のしこりに気づいても、すぐに梅毒と結びつけて考える方は少ないかもしれません。性器のしこりと梅毒の関係について、ドクター監修の記事でお伝えします。

梅毒の治療法は、日本性感染症学会のガイドラインにて推奨される対処の内容が示されています。性器のしこりは梅毒の症状にみられるものなのか、また、その適切な対処方法について解説します。

性器のしこりは梅毒の可能性がある

梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体に感染したことで起きる感染症の疾患です。梅毒に罹患すると、症状のない潜伏期間と、症状の現れる顕在期間が交互に繰り返されます。時間の経過とともにさまざまな臨床症状が現れ、そのつど深刻化していくのですが、その間に一時的に症状が治まる時期があるため、治療の開始が遅れるという問題点が指摘されています。

梅毒トレポネーマに感染しても、3週間から3か月ほどの期間は梅毒の症状自体が出にくいです。また、梅毒の症状が出たとしても、軽いものが多く、約3週間程度で太ももの付け根にあるリンパ腺が腫れるなどの症状が現れ、性器の周辺に痛みのないしこりができることがあります。その点を鑑みれば、痛みのともなわない性器のしこりは、梅毒の可能性が高いと考えられます。ただし、これらの症状は個人差があるものの2~4週間で自然に消えてしまうといわれています。そのため、上記のように治療開始の遅れが懸念されているようです。

梅毒の症状

梅毒は梅毒トレポネーマに感染してから経過した期間によって分類され、それぞれの時期で臨床症状や症状が出る部位が違ってきます。

第1期

感染後、3週間から3か月の期間を第1期と呼んでいます。第1期においては、梅毒トレポネーマが進入した部位、陰部や口腔内が硬くなり膿がでるなどの症状がみられ、痛みのないのリンパ節の腫れをともなうこともあります。治療をしなくても自然に症状が治まります。

第2期

感染後、約3か月がすぎた時期が第2期と呼ばれています。第1期梅毒の症状が一旦消え、4週から10週間の潜伏期が過ぎると、非常に多彩な梅毒の症状が現れます。発熱や倦怠感、関節痛などの全身症状とともに第2期に現れる典型的な症状の、手や足の裏から赤い花びら状の発疹が現れる「梅毒性ばら疹」や梅毒性乾癬、梅毒性白斑などの症状を呈するようになります。次々と粘膜や皮膚に第2期梅毒疹が生じリンパ節も腫脹してくるのですが、第1期梅毒と同じように、治療をしなくても数週間〜数か月で症状が治まってしまいます。しかし、大多数がこの時期に感染に気づき医療機関を受診します。そして、この第2期に治療を開始することがとても重要です。

第3期

感染後、3年が過ぎた状態は第3期と呼ばれています。病原体の梅毒トレポネーマ自体は少なくなり、他への感染の危険性は低くなると考えられています。表面が崩れやすい潰瘍が出現し全身に硬いしこりも現れます。一般的に梅毒の症状を表す「鼻が落ちる」のが、この第3期です。鼻骨にゴム種ができて鼻骨が崩れるなどの症状のほか、梅毒トレポネーマが骨を冒しはじめると激しい痛みがともない睡眠を阻害することもあるようです。治療後も瘢痕が残ります。

第4期

感染後、10年以上が過ぎた時期の状態は第4期と呼ばれています。 無治療だった場合、約1/3で神経梅毒(脊髄癆や進行麻痺など)に進展します。この時期になると心臓や血管、脳、脊髄などに病気が進行し、歩行困難など、普通に生活することが難しく最終的には死に至ります。

梅毒以外で性器にしこりが出る病気とは

梅毒以外で性器にしこりが出る病気はいくつかあげることができます。

外陰がん

外陰がんは閉経後に発症しやすいといわれています。外陰部にできる腫瘍で、特徴は痛みやかゆみが長引き炎症を起こすことです。

バルトリン腺膿瘍

性的な興奮を得たときに、バルトリン腺と呼ばれる部分から分泌液が出ます。バルトリン腺が詰まると炎症を起こし、痛みをともなう腫れや赤みが現れます。

外陰脂肪腫

外陰脂肪腫は外陰部位にできる良性の腫瘍です。原因は皮脂腺や汗腺が詰まること、と考えられていて、柔らかく痛みもなく、皮下脂肪が多いところにできます。

尖圭(せんけい)コンジローマ

尖圭コンジローマは性感染症の一種であり、ヒトパピローマウイルスに感染したためにできるイボです。イボ自体に痛みやかゆみはともないませんが、膣内でイボが分泌物の排出を妨げるため、菌の繁殖を増長させます。

性器にしこりが出たら一度病院へ

性器にしこりなどの症状が現れても、部位がデリケートな場所だけに、ついつい医療機関での受診をためらうケースがよくあります。梅毒のしこりのように症状が消えてしまうこともありますが、陰部にしこりができたときにはためらわず、性病科や泌尿器科、婦人科を受診することをおすすめします。もちろん、皮膚科や形成外科でも治療は受けれますが婦人科は女性のドクターも多く女性特有の病気に詳しいと考えられます。陰部のしこりにどのような病気が潜んでいるかわからず、悪性腫瘍の可能性も否めません。そのまま放置せずに早めに医療機関や産婦人科を受診しましょう。

梅毒の基礎知識についての関連記事

梅毒 サブテーマ

梅毒の基礎知識 記事ランキング

fem.リサーチ