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梅毒

梅毒は治る病気なのか?

更新日:2018/05/29 公開日:2017/03/31

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長

大利昌久先生

この病気・症状の初診に向いている科
性感染症内科

梅毒は近年、あまりその名を聞くことは少なくなってきました。しかし、現在でも存在する性病の一種です。もしも、ある日突然梅毒に感染してしまったら治るのか、梅毒の症状や治療に必要な期間などをドクター監修の記事で解説します。

性行為によって感染する病気を性病と言い、「梅毒」は世界中に分布している性病疾患の1つです。性病なので基本的には性行為または、それに準じた行為(キスなど)により感染しますが、まれに輸血やカミソリ、食器など性行為以外の経路から、感染することもあります。梅毒の原因となっている病原体、梅毒トレポネーマ・パリダム自体は殺菌剤、温度・湿度の変化で簡単に死滅します。

梅毒の症状と治るのかについて

梅毒に感染した場合、おおまかに4段階の流れで症状が進行していきます。

第1期 感染から3週間~9週間

初期硬結(しょきこうけつ)という陰部に赤色の硬いしこりができることがあります。大きさはだいたい1センチくらいで、痛みはほとんど感じません。初期硬結がただれてびらん状になったものを硬性下疳(こうせいげかん)と言います。硬性下疳は触れると軟骨のような硬さがあります。また、男性と女性で症状は多少異なります。

感染から2~3週間の間に、陰部に痛みはないですが、分泌物をかぶったような硬いしこりができます。その後は下腹部にある鼠経(そけい)リンパ節という部位が腫れますが、こちらも痛みはありません。

陰茎(いんけい)などにしこりが発生し、皮が破れてジュクジュクしたようなびらん状になります。太股のリンパ節が腫れますが、痛みは感じません。そして、2~3か月後に全身に豆粒大の発疹などが発生します。

  • 女性
  • 男性

第1期で放置しても、そのまま快方に向かうこともありますが、ここでしっかり治療を行わないと第2期に突入するおそれがあります。

第2期 感染から9週間~数か月

病原体が血液やリンパ管を通して身体中に広がっていきます。背中、顔、手のひらなど全身にエンドウ豆サイズの赤い発疹が大量に発生します。また、口唇(こうしん)や咽頭(いんとう)に灰白色(かいはくしょく)の斑が発生することもあります。しかし、どれもかゆみも痛みも特になく、しばらくすると消えていきます。

第3期 感染から3~10年

全身の皮膚や筋肉などに硬いゴムのような腫瘍ができます。

第4期 感染から10年以上

全身が梅毒の病原菌に侵され、ほぼ全身の臓器に腫瘍が広がります。脳まで侵されるので、精神異常や麻痺などの症状も現れ、最終的に亡くなります。ちなみに、現代の日本では、第3期まで梅毒が進行することは、まれといわれています。そのため、過去では、非常におそれられていた梅毒ですが、現代では、きちんとした治療さえ早い段階で受けておけば、治る病気であると考えられます。

梅毒の治療方法と治るまでの期間

まずは梅毒検査で陽性かどうかを調べます。検査は早いもので15分、遅くても2日以内で結果がわかります。検査の結果、陽性反応が出れば治療していくことになります。まずは、抗生剤の服薬をだいたい1か月以上行います。先ほど紹介した症状の流れならば第1期で始めれば2~4週間、第2期で始めれば4~8週間が服薬の目安となります。

治療当初には発熱や筋肉痛などの症状が現れることがありますが、これは急激に病原体が死滅しているからなので問題はありません。また、抗生剤の服薬すべき期間が終わったあとも、定期的に血液検査などを行うことが必要となります。第1期や第2期で治療した場合には、だいたい3~6か月後に検査した結果、抗カルジオリピンという抗体価が8倍以下に低下していれば、ほぼ治った状態といわれています。

梅毒の治療薬

海外では梅毒の治療薬としてはペニシリンGという薬を使うことが多いですが、日本では、まだ使用が認められていません。日本の今の段階では、治療薬としてアモキシシリンなどの経口合成ペニシリン剤の投与が一般的です。また、ペニシリンアレルギーがある場合には塩酸ミノサイクリンなどを使用します。ただし塩酸ミノサイクリンは妊婦には副作用が発生するおそれがあるため使いません。

妊婦が梅毒に感染した場合には、生まれてくる赤ちゃんが先天性の梅毒にかかってしまう可能性があります。そのため検診の中には梅毒の検査が入っており、陽性となれば基本的にはペニシリンを使って治療を行っていくことになります。ペニシリンは胎盤などを通してお腹にいる赤ちゃんにも届くので、お母さんと赤ちゃん両方の治療薬として効果的とされています。ただし、ペニシリンに対してアレルギーをもっている場合は、アセチルスピラマイシンという治療薬を使うことが多いです。

梅毒は再発することもある?

治療して半年経過しても血液検査の結果、抗体価が16倍以上の数値が出る場合は、再発または、再感染したということが考えられるので、再び治療を行っていくことになります。

梅毒にかからないようにするためには

予防としてまずは、梅毒に感染していると思われる人との性行為および、性行為に近い行為を避けることです。避妊や性感染症予防に使われるコンドームを使用することで、ある程度は性行為をしたとしても感染は、抑えられるとは考えられますが、100%の予防ができるという結果は今のところ出てはいません。もしも、自分が梅毒に感染したのでは、と疑いがあるときには、きちんと検査を受けて、早期の発見と治療につとめましょう。また、その際にはパートナーも感染している疑いがあるので、一緒に病院へ行くことをおすすめします。

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