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ニキビが治らないのは

更新日:2017.04.13
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
札幌シーズクリニック 院長 大久保真

思春期を過ぎてからできるニキビがなかなか治らない場合には、なにかの病気が潜んでいる可能性があります。また、ストレスも大きく関係しているようです。ここでは、ニキビが治らない原因と具体的な治療方法をドクター監修の記事で解説します。

思春期になると男性ホルモンが活発化することで、ニキビが増える人が多いようです。しかし、思春期を過ぎてもなかなか治らないニキビは思春期後座瘡(ししゅんきこうざそう)と呼ばれ、なにかの病気が潜んでいる場合もあります。

治らないニキビとは

ニキビは、代謝が低下したり皮膚表面が固くなったりといった原因で皮膚表面で正常なターンオーバーが行われなくなり、皮脂や汚れがつまった毛穴の中で炎症が起こることによって発症するものです。思春期になると、男女問わず男性ホルモンの分泌が活発になって皮脂の分泌量が増えてしまいます。これにより、ニキビができやすい状態になります。思春期のニキビは、12歳から13歳ごろから始まり、高校生をピークに軽減していく傾向にあります。しかし、思春期を過ぎても継続していたり思春期を過ぎてから発症したりするケースがあり、このニキビは思春期後座瘡と呼ばれています。

治らないニキビの原因とメカニズム

思春期後座瘡には、生活習慣が原因となる場合や病気が潜んでいる場合があります。

生活習慣が原因となる場合

自律神経が乱れたり、ストレスを感じたりすることでニキビができる場合があります。人はストレスを感じると、ストレスを和らげるためにストレスホルモンを分泌させます。ストレスホルモンとは視下床部から命令を受けて副腎皮質より分泌されるホルモンです。このときに分泌されるコレチゾールが増加して、男性ホルモン分泌のバランスが崩れます。この男性ホルモンが皮脂の分泌量を増やして角質を分厚くするため、毛穴がつまりやすくなります。その結果、皮脂や汚れがつまりやすくなりニキビができやすい状態となるのです。

多嚢胞性卵巣症候群

思春期後座瘡を引き起こす病気として知られているのが、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)です。通常の排卵は、袋状の卵胞に包まれている卵細胞が大きく成長し、卵胞が破裂して体外へと排出されます。多嚢胞性卵巣症候群の場合は、大きくなった卵細胞が卵胞の中に残り排卵が行われないため、卵巣の中に卵胞がたまっていく状態です。多嚢胞性卵巣症候群の特徴としては、月経異常や頻尿などの他に男性ホルモンの分泌量が多くなることがあげられす。そのため、背中や手足の体毛が濃くなったりニキビが増えたりする特徴があります。皮脂の分泌量も増えるため、思春期後座瘡を引き起こすと考えられています。多嚢胞性卵巣症候群の症状が見られる場合は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

掻破性座瘡

顔にできたニキビの存在が気になってしまい、潰したり掻いたりすることでニキビが拡大し治った後も掻破跡が残るのが特徴です。精神的にストレスを抱えている思春期後の女性に多く見られるようです。掻破性座瘡(そうはせいざそう)に悩んでいる人は、ストレスにより本人に自覚がなく無意識のうちに頬杖をついたり顔を引っ掻いたりする行動を起こしている場合が多いようです。

治らないニキビの治療と治療中のポイント

思春期後座瘡は、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患が元となっている場合をのぞいて、主にストレスが原因となっていることが多いといわれています。そのため、ニキビの治療と平行してメンタルケアを行い、治療の効果をあげることができると考えられています。

投薬治療

ニキビの炎症の原因となるアクネ菌の増殖を抑えたり殺菌をしたりするために、抗生物質による投薬治療を行います。ニキビの治療は、比較的長い間の服用が必要と考えられるため、副作用が少ないマクロライド系抗生物質を処方することが多いようです。代表的なマクロライド系抗生物質には、ルリッドとクラリスがあります。どちらも副作用が少なく長期服用に向いている治療薬です。また、投薬治療と同時に殺菌効果のある外用薬を使用することもあります。外用薬には、主にニューキノロン系抗生物質とシリコマイシン系抗生物質が用いられます。どちらもニキビが炎症を起こす原因となるブドウ球菌やアクネ菌を殺菌する効果があるといわれています。

カウンセリング治療

掻破性座瘡などの原因となるストレスを緩和するために、カウンセリングを行いニキビの根本的な原因を解消していきます。掻破性座瘡の場合は、無意識のうちに引っ掻いたり頬杖をついたりしているため、まずはその行動を自覚させることから始めていきます。それから、原因となるストレスを緩和するカウンセリングを行っていきます。症状によっては、抑不安剤なども使用して症状の早期改善を目指していきます。

治らないニキビは病院へ

思春期を過ぎてもニキビがなかなか治らない場合には、病気がひそんでいることもあります。また、知らず知らずのうちにストレスを抱えこんでいることも考えられます。治らないニキビに悩んでいる場合は、一度病院で医師に相談してみるといいでしょう。

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