水いぼは、学童期の子供がかかりやすいウイルス性の皮膚疾患です。水いぼの原因となるウイルスは「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)ウイルス」というウイルスで、このウイルス自体の感染力はそれほど強くはありません。しかし、学童期の児童など、免疫力が不十分な子供だと、皮膚にできた小さな傷などからウイルスが侵入し、水いぼを発症してしまうこともあります。
水いぼは、良性の腫瘍であるため、それほど過敏になる必要はなく、そのまま放置しても免疫を獲得することによって1~2年で自然と治る場合が多いようです。ここでは、水いぼの症状やできやすい部位、大人の水いぼなどについて解説します。
水いぼは主にどこにできるの?
水いぼは、全身どこにでもできる可能性がありますが、中でも比較的皮膚が柔らかい手足や体幹部などの部位にできやすいことが知られています。
水いぼの感染が拡大してしまう理由
前述の通り、水いぼはウイルス感染によってできます。特に、皮膚と皮膚が接触しやすい部位には感染が拡大しやすい傾向があります。水いぼのウイルスは、小さな傷ができている箇所などから体内に入り込みます。皮膚の小さい傷は皮膚と皮膚がこすれやすい部位にできやすく、わきやひじの内側、ひざの裏など関節の裏などに広がりやすい傾向があります。
また、皮膚と衣服の接触も皮膚に小さな傷を作ってしまう原因となり、わき腹などの体幹に水いぼができてしまう場合も多く見られます。
皮膚と皮膚のこすれからウイルスが侵入する以外にも、もともとあった水いぼをかき壊してしまうことで感染が広がるケースもあります。水いぼのふくらみの中には、ウイルスなどが詰まっています。そのため、水いぼをかき壊してしまうと、中のウイルスが飛び散り、肌のバリア機能が弱っている箇所や小さな傷などから体内へと侵入し、次々と水いぼが増えてしまう原因となります。
また、水いぼは治っていく過程で皮膚からポロリとはがれ落ちることがあります。このとき、はがれ落ちたいぼやその内容物に触れると、新たな水いぼを発生させる可能性もあります。
水いぼの形状と特徴
水いぼの大きさは、一般的には2~3mm程度の大きさで、小さいものでは1mm、大きなものでは5mm以上ほどの大きさになることもあります。触るとそれほど硬くなく、ぷにぷにとした弾力のある手触りで、中心部分に小さなくぼみが見られる場合もあります。独特の光沢や透明感があり、色は白色やピンク色であることが多いようです。
水いぼのふくらみの中には、感染の元となるウイルスが入っており、その他にも、ウイルスによって変性してしまった組織などがドロドロの粥状になって詰まっています。
水いぼは、基本的には痛みやかゆみを生じさせるものではありませんが、治っていく過程で赤みとともにかゆみが出ることもあります。また、水いぼ自体がかゆみを生じさせていない場合でも、水いぼのウイルスに周囲の皮膚が反応することで皮膚炎が発生して、湿疹やかゆみなどの症状が出る場合もあります。
アトピー性皮膚炎と水いぼを併発してしまっている場合は、アトピーそのものや肌の乾燥が原因でかゆみが出るケースも見られます。水いぼの治療がアトピーに悪影響を及ぼしたり、アトピーの治療が水いぼの悪化につながったりなど、両者を同時に治療するには専門医の適切な指示が必要になります。持病にアトピーがある方が水いぼを発症してしまった場合は、すみやかに医師に相談しましょう。
大人の水いぼは陰部にできることも
水いぼは、8割以上は学童期の子供にできるといわれています。子供の場合は、成長段階で免疫の状態が不十分であることや、学校のプールなど水いぼに感染しやすい環境に置かれることが多いことから、大人よりも水いぼに感染しやすいと考えられます。子供の水いぼは、特に治療を行わなくても、加齢とともに免疫を獲得しながら症状がおさまっていくことが多いようです。
しかし、水いぼのウイルスへの免疫を持っている大人でも、風邪(かぜ)やストレス、疲労などによって免疫機能が弱まっていると水いぼができてしまうケースが見られます。子供の水いぼは、わきや体幹部、手足などにできやすい傾向がありますが、大人の場合は陰部に水いぼができてしまうこともあります。これを性器伝染性軟属腫(せいきでんせんせいなんぞくしゅ)と呼び、性行為などの接触で感染します。性感染症として扱われ、外陰部や肛門の周辺、内ももなどに水いぼが広がるのが特徴です。
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