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乾燥肌の化粧品の選び方(3)化粧水

更新日:2016.12.09
公開日:2013.12.12
ドクター画像
この記事の監修者
広尾プライム皮膚科 医師 吉澤智子

化粧水というと、「お肌に水分を与えるもの」と考えている方が多いと思いますが、実はこれは間違い。化粧水は、「角質層に届けたい成分を届ける」という目的で選びましょう。ここでは、乾燥肌の化粧水や、化粧水成分の選び方を、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

化粧水の役割とは?

化粧水というと、「お肌に水分を与えるもの」と考えている方が多いと思いますが、これは大きな間違いです。

化粧水、美容液、乳液、クリームなどの中で、最も水分の多い化粧水は、水分をお肌に届けるのではなく、「水溶性の美容成分」を届けることが役割だと考えましょう。

また、同じ水溶性の成分でも、高濃度のものを部分的に届けたい場合は、美容液の方が向いています。

そのため、化粧水を選ぶ場合は、自分のお肌の状態を検討し、「お顔全体の角質層に届けたい成分」が何であるかをきちんと考え、化粧水を選ぶ必要があります。

保湿目的で化粧水を選ぶ

保湿目的で化粧水を使用する場合は、上述の通り、水分ではなく「水溶性の保湿成分を角質層に届ける」という目的で選びましょう。

それでは、どのような水溶性の保湿成分を化粧水で補うべきなのでしょうか。

化粧水に含まれる保湿成分についての考え方

お肌の水分を保つ役割は、角質層に存在する細胞間脂質(セラミドなど)が80%、NMF(天然保湿成分)が18%、皮脂が2%程度を担っています。

クレンジングや洗顔を行うと、これらは多かれ少なかれ洗い流されてしまい、お肌は約24時間かけて回復します。

しかし、回復前は保湿能力が低下した状態。

「肌本来の水分保持力が低下している間に乾燥からお肌を守る」ということが必要になります。

また、間違ったスキンケアなどで角質層にダメージがある場合や、加齢で細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)が減少している場合は、「角質層を健やかにする」効果のある成分も検討してみましょう。

その際、注意しなければいけないのは、セラミドに代表される細胞間脂質が最も水分保持力で重要な役割を果たしていますが、細胞間脂質の成分は水溶性ではないため、化粧水に配合するには不向きな点です。

セラミドが配合された化粧品は、美容液や乳液、クリームなど、油分が含まれたもので取り入れましょう。

肌本来の水分保持力が低下している間に乾燥からお肌を守る水溶性成分

以下のような成分が、代表的なものになります。

  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン/エラスチン
  • グリセリン
  • プロピレングリコール(PG)
  • ブチレングリコール(BG)
  • NMF(天然保湿因子)に含まれる成分

ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンは、お肌の真皮層に存在しますが、角質層には存在しません。

しかし、水分を吸着したり、抱え込む性質があるため、保湿剤として多くの化粧品に配合されています。

グリセリン、PG、BGは、無色透明で臭いもなく、少量であればお肌への刺激が少ないので、古くから化粧品に利用されています。

角質層のNMF(天然保湿因子)を構成しているのは以下のような成分ですが、これらの成分が配合された保湿化粧水も多く存在します。

【NMF(天然保湿因子)の構成成分】

  • アミノ酸(セリン、グリシン、リジンなど):約40%
  • ピロリドンカルボン酸(PCA):12%
  • 乳酸ナトリウム:12%
  • 尿素:7%
  • ミネラル類:18.5%
  • 糖、有機酸など:18.5%
  • その他:10.5%

角質層を健やかにする成分

お肌を健やかにし、お肌自体の保湿力を高める成分には、主に細胞間脂質(主にセラミド)の生成量を高めるものと、NMF(天然保湿因子)の生成量を高めるものがあります。

セラミドを増加させる成分として、以下のようなものがあります。

  • ライスパワーNo.11エキス
  • ユーカリ抽出液

セラミドは水溶性の物質ではないので、セラミドを直接的に補いたい場合は、乳液やクリーム、油分を含んだ美容液などが向いています。

また、NMF(天然保湿因子)の構成成分が含まれていたり、お肌のNMF生成量を高めるとして、ヨクイニン(ハトムギ)などの植物エキスを配合している化粧品が数多く存在します。

美白目的で化粧水を選ぶ

乾燥肌の角質層はバリア機能が低下しているため、紫外線の影響を受けやすくなっています。

そのため、乾燥している箇所ほどシミやそばかすができやすいので、美白成分の入った化粧水でシミやそばかすを予防するのも、エイジングケアの観点からはおすすめです。

ただし、美白成分には刺激が強いものもあるため、慎重に選ぶ必要があります。乾燥肌であれば、ビタミンC誘導体などの刺激が強めの美白成分ではなく、お肌に優しく、美白効果と保湿効果の両方があるプラセンタを選ぶとよいでしょう。

毛穴対策に化粧水を選ぶ

バリア機能が低下していると、お肌は自らを守るためにターンオーバーを早め、角質層を厚くしようとする「過角化」が起こります。そうすると、毛穴が詰まりやすくなるため、乾燥肌でありつつ、毛穴の開きに悩む方もいます。

そういう場合は、「グリシルグリシン」など、角化を整える成分が配合されている化粧水がおすすめです。

乾燥がひどい場合はシンプルなケアを

乾燥が進んだ肌は、バリア機能が大きなダメージを受けており、化粧品の添加物などの影響を受けやすい状態です。

たくさんの化粧品を塗り重ねると、お肌に付着する美容成分や添加物の種類や量が増え、刺激になる可能性があります。

何となくお肌につけるのではなく、「何を目的に、どの化粧品を使うのか」を考え、目的を達成する最低限の使用に止める方が安心です。

化粧水に限らず、化粧品が原因でお肌にトラブルが発生したら、悪化する前に皮膚科を受診するようにしましょう。

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