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アトピー肌の化粧品選び(3)化粧水

更新日:2016.12.09
公開日:2014.05.01
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この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

ドクター監修の記事で、アトピー肌が選ぶべき化粧水のポイントを詳しく解説します。アトピー性皮膚炎の肌は、バリア機能や水分保持力が低下しており、とてもデリケートな状態です。このような肌には、どのような化粧水が合うのかお伝えします。

アトピー肌の化粧品選び(3)化粧水

アトピー肌の「保湿」とは?

アトピー肌の正しい保湿ケアと保湿成分の選び方』で述べたように、保湿には次の2種類の考え方があります。

(1)刺激物の侵入や水分の蒸発を防ぐ保湿

皮膚の表面をコーティングのように守ることで、水分の蒸発や刺激物の侵入を防ぐ保湿方法です。

(2)肌の水分を保つ保湿

乾燥しやすいアトピー性皮膚炎の肌は、水分量が低下しています。そのための、水溶性の保湿成分や角質層の水分保持力を肌に補う保湿です。

アトピー肌の方が化粧水に必要とするもの

アトピー肌の方が化粧水でケアする必要があるのは、「肌の水分を保つ保湿」です。

皮膚の水分は主に角質層によって守られており、肌の水分保持力の80%を細胞間脂質(セラミドなど)、NMF(天然保湿因子)が18%程度、残りの2%程度を皮脂が担っています。

化粧水では、水溶性の保湿成分であるNMF(天然保湿因子)の役割を果たす保湿成分を補うようにしましょう。

ちなみに、細胞間脂質(セラミドなど)は、その名の通り脂質のため、そのままでは水には溶けません。化粧水にこのような油溶性の成分を溶かすには、多くの界面活性剤が必要となります。しかし、デリケートなアトピー肌には界面活性剤は刺激になる可能性がありますので、水溶性の保湿成分のみの化粧品を使用するようにしましょう。

保湿力の高い水溶性の保湿成分とは?

角質層のNMF(天然保湿因子)は、アミノ酸やPCA(ピロリドンカルボン酸)、乳酸塩、尿素、クエン酸塩などが主成分です。これらの成分は水分の吸着性が強く、角質層内ではセラミドなどからなる細胞間脂質の間でしっかりと水分と結合しています。

しかし、湿度が低く、吸着する水分が蒸発してしまう環境下では、保湿力が下がってしまうのです。

そのため、アトピー肌の場合は、水分を吸着する保湿成分ではなく、「水分を抱え込む」効果の高い保湿成分を補うと良いでしょう。

具体的には、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどで、これらは肌に塗布すると、NMF(天然保湿因子)と似た働きをします。

(1)ヒアルロン酸

アミノ酸の一種で、非常に高い保湿性・水分保持力があります。ヒアルロン酸1グラムで、6リットルの水分を保持できると言われています。

(2)コラーゲン

たんぱく質の一種。真皮層ではコラーゲン線維と呼ばれる網の目状の繊維質で皮膚を支えており、肌の水分を保ったり柔軟性や弾力性を与えたりする働きをしています。外部から塗布した場合は、分子が大きいため肌内部に浸透はせず、肌表面で水分をしっかり抱え込む性質があります。

(3)エラスチン

真皮層では、コラーゲン同士を結びつけ、肌にハリや弾力を与える働きをしています。コラーゲン同様、肌表面に塗布した場合は内部には浸透せず、肌表面で高い保湿力を発揮します。

アトピー肌の化粧水選びの注意点

アトピー性皮膚炎の肌はバリア機能が弱いため、添加物などが侵入しやすく、刺激となる場合があります。

そのため、香料や着色料、防腐剤などの添加物を含まないものを選ぶようにしましょう。また、脂溶性の成分が入っているものは、界面活性剤が多く含まれている可能性があるので、避けた方が無難です。

肌トラブルのリスクを減らすため、主成分が明らかで配合成分が少ないものを選ぶことをオススメします。

オーガニック化粧品はアトピー肌に優しい?

化粧水をはじめ、植物性のオーガニック系化粧品は「肌に優しい」というイメージがありますが、アトピー肌の方は慎重に選ぶ必要があります。

植物によって皮膚がかぶれる接触性皮膚炎が発生することがあるように、植物エキスは皮膚への刺激が強い場合があります。また、エキスの精製度が低い場合は、含まれる不純物がアレルゲンとなり、かぶれることがありますので、十分注意するようにしてください。

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