皮膚の表皮は、一定の期間で細胞が入れかわっており、古い細胞は垢となってはがれおちていきます。この仕組みを皮膚のターンオーバーといいます。頭皮も、ターンオーバーによって生まれ変わっており、古くなった頭皮の角層は、「フケ」としてはがれ落ちていくことになります。
フケと聞くと、不潔なイメージが先行しますが、軽度のフケは、ターンオーバーによるもののため、健康な人にも見られます。しかし、何らかの原因で頭皮の健康が保たれなくなると、ターンオーバーがうまくいかなくなり、フケが増えることになります。よって、頭皮が清潔かどうかとは関係なく、フケが多くなることもあり、頭皮の皮膚炎や白癬、乾癬などの皮膚疾患にともない、フケが増える場合もあります。
フケの種類
フケは、一般的には「乾性フケ」と「脂性フケ」に分けられます。乾性フケは、頭皮が乾燥することで起き、脂性フケは、頭皮の皮脂が過剰なために起こります。
パラパラ・カサカサしたタイプは「乾性フケ」
頭皮が乾燥すると、角層の水分量が低下し、角層がはがれやすくなり、フケが増えます。また、乾燥は皮膚のターンオーバーも乱すため、さらにフケが増える原因となります。もしも、毎日丁寧に洗っているのに、フケがおさまらないときは、頭皮の乾燥による乾性フケの可能性があります。空気が乾燥する秋から冬に多いのもこのタイプです。
ベタベタしたタイプは「脂性フケ」
皮膚には、マラセチアというカビが常在していますが、マラセチアは、皮脂を栄養にしており、皮脂が増えるとマラセチアも増えることになります。マラセチアは、リパーゼという脂肪分解酵素を分泌し、リパーゼが皮脂を分解すると脂肪酸がつくられます。脂肪酸には、皮膚を弱酸性に保つよい効果もありますが、皮膚の炎症を引き起こすなどの悪い作用もあり、増えすぎると皮膚炎を起こし、フケの増加につながります。
頭皮を何日も洗わなかったり、洗い方が雑だったりして、頭皮が不潔になっているときや、夏に皮脂が増えることで出てくるフケは、このタイプになります。
乾性フケの原因
乾性フケの原因には、主に以下のものがあげられます。
- 間違った洗髪法(洗いすぎ、すすぎ残しなど)
- 外的刺激(過度なブラッシング、パーマ液やヘアカラー剤など)
- かたよった食生活による栄養不足
- 不規則な生活やストレス
- 加齢や体質
- 病気にともなうもの(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬による炎症やターンオーバーの乱れ、甲状腺機能低下症による代謝の低下、糖尿病による脱水などにより頭皮が乾燥することがあります。)
乾性フケの特徴
乾燥が原因のフケには、以下のような特徴が見られます。当てはまる項目が多い方は、頭皮の乾燥を疑ってみましょう。
- 肩にフケが落ちてきて積もる
- サラサラとしたフケは乾性フケの特徴です。
- 細かいフケが出る
- 乾性フケは白く細かいという特徴があります。
- 念入りにシャンプーしても改善しない
- 脂性フケは皮脂が多いことが原因ですので、しっかり洗えば改善が期待できます。しかし、乾性フケの場合は乾燥が原因ですので、洗っても根本的な解決にはなりません。むしろ、シャンプーをしすぎるとさらに悪化してしまう可能性もあります。
乾燥しすぎると頭皮が無防備に
頭皮は、他の皮膚と同じく、皮脂と角層によって守られています。過度なシャンプーやブラッシングは、必要以上に皮脂を取り除いてしまうため、頭皮が乾燥し、ターンオーバーが乱れます。
ターンオーバーが乱れると、つくられる角層の細胞も未熟となるため、角層本来の保湿機能やバリア機能が十分に働かず、頭皮は外的刺激に弱くなります。そのため、痒みを生じたり、皮膚炎を起こしやすくなったりします。皮脂と聞くと悪いもののように感じますが、頭皮にとって一定量の皮脂は必要不可欠なものです。必要以上に洗髪回数を増やしたり、強い力でシャンプーやブラッシングをしたりするのは避けましょう。
乾性フケを予防・改善するには
乾燥によるフケを防止するためには、普段の生活でできる予防・改善策が必要です。以下を心がけてフケ対策を行いましょう。
洗髪の仕方
上記で説明したように、乾燥によるフケは、過度な洗髪が原因になっているケースが多いと考えられます。季節や生活習慣などによって違いはありますが、通常シャンプーの回数は、1日1回で十分です。必要以上にシャンプーの回数を増やさないようにしましょう。
また、洗浄力の強いシャンプーは使わない、爪を立てずに指の腹でやさしく洗う、すすぎ残しのないようによくすすぐ、などにも注意しましょう。
正しいシャンプー方法については、『頭皮の乾燥やフケを改善する正しいシャンプー方法とは?』で詳しく解説しています。
食生活
頭皮を乾燥させないためには、バランスのとれた食生活も重要になってきます。特に、ビタミンB群が不足すると、皮膚の状態が悪くなりやすいとされているため、ビタミンB群を多く含む以下の食品を、バランスよく摂取するようにしてください。
- 卵
- レバー
- 豚肉
- 牛乳
- 納豆などの大豆製品
- ほうれん草などの緑黄色野菜
- キノコ類
- マグロなど
食生活の改善まで気が回らないという人は、病院でビタミン剤を処方してもらえる場合もあります。医師に相談してみましょう。
生活環境
十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにすることも、頭皮を健康に保つことにつながります。
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