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炭疽

炭疽菌が引き起こす炭疽の症状とは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/06/15

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長

大利昌久先生

炭疽菌が引き起こす感染症の炭疽は、感染経路や症状により皮膚炭疽、肺炭疽、腸炭疽、髄膜炭疽の4つに分類されます。それぞれの炭疽の症状や特徴について、ドクター監修のもと詳しく解説します。

感染経路や症状によってヒトが感染する炭疽は4つに分類されます。ここでは、それぞれの炭疽の特徴について紹介します。

皮膚炭疽とは

皮膚から炭疽菌が侵入した状態を皮膚炭疽と呼び、炭疽全体の95%以上を占めます。傷ついた皮膚に、炭疽に感染した動物の毛や血が接触すると皮膚炭疽に感染しやすくなります。また、皮膚に傷がない場合は感染する可能性は低いとされています。潜伏期間は1日から7日とされています。初期症状は丘疹(きゅうしん)と呼ばれる小さな皮膚の盛り上がりで、虫刺されのようなかゆみをともなうことがあります。その後、丘疹は破れて皮膚炭疽の特徴でもある黒いかさぶたができます。皮膚炭疽は、適切な治療を行えば8割の患者は7日から10日で治癒します。しかし、リンパ節や血液に炭疽菌が侵入すると敗血症になり、死亡することがあります。

肺炭疽とは

炭疽菌を吸い込んで炭疽に感染した状態を肺炭疽と呼びます。肺炭疽の潜伏期間は1日から7日とされていて、初期症状はインフルエンザや気管支肺炎のような発熱や全身の倦怠感が現れます。その後、症状が進行すると呼吸困難や発汗、あるいは顔などが紫色になるチアノーゼになり、24時間以内に死亡するとされています。肺炭疽は、縦隔と呼ばれる左右の肺に囲まれたリンパ節が腫れるのが特徴です。肺炭疽を発症後に治療をしなかった場合、90%以上が死亡するとされています。

腸炭疽とは

炭疽で死亡した動物の肉を食べて炭疽に感染した状態を、腸炭疽と呼びます。出血性小腸炎と呼ぶこともあり、潜伏期間は2日から5日です。初期症状は嘔吐や胸のむかつき、食欲不振、発熱で、感染から2日から3日後に腹痛や血の混じった下痢が生じます。そして、血液中に炭疽菌が広がり毒血症になると、ショック状態やチアノーゼになり死亡します。腸炭疽に感染した場合、25%から50%が死亡するとされています。

髄膜炭疽とは

髄膜に炭疽菌が入りこんだ状態を髄膜炭疽と呼びます。皮膚炭疽感染者の約5%と肺炭疽感染者の約三分の二は髄膜炭疽を発症するとされており、髄膜炭疽だけを発症することはまれです。髄膜炭疽を発症すると、髄液検査をした場合に髄液圧の上昇や髄液に血が混じるなどの症状がでます。その後、意識障害になり死亡します。髄膜炭疽に感染した場合、治療の有無に関係なく2日から4日で100%が死亡するとされています。

炭疽は症状によっては命に関わる病気ですが、早期発見で治療できる可能性があります。体に異変を感じたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

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