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トラネキサム酸の内服薬で気をつけたい副作用とは

更新日:2018.04.06
公開日:2018.02.19
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この記事の監修者
Ema鍼灸マッサージ治療院 院長 江波恵

シミのうち、肝斑の改善に期待できるといわれる成分「トラネキサム酸」。そのはたらきが注目される一方で、副作用が心配という方もおられることでしょう。トラネキサム酸にはどのような効果が期待できるのか、またどのような副作用があるのかをまとめました。

トラネキサム酸は、シミの中でも肝斑の改善が期待できるとして注目されている成分です。白血病など、もともとほかの病気の治療薬として使われていたものですが、肝斑の改善に効果があるとして、美容皮膚科の分野では保険適応外ではあるものの、長い間治療に使われてきました。現在では一般用医薬品として肝斑の改善に効果がある内服薬も販売されているほか、美白成分として一部の薬用化粧品にも配合されています。

少しややこしいのですが、トラネキサム酸は薬用化粧品に含まれる成分としてはシミ・そばかすを防ぐ美白成分、内服薬としては肝斑(かんぱん)を対象とした医薬品というわけです。トラネキサム酸を化粧品としてとり入れる場合の肌に対するはたらき、内服薬としてとり入れる場合の副作用について、また、使用するにあたって注意したい点などを整理しながらご紹介します。

化粧品に含まれる美白成分としてのトラネキサム酸とは

化粧品に含まれる美白成分としてのトラネキサム酸とは

シミの原因になるメラニン色素の生成を抑える作用によって、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ美白効果が期待できるとされています。なお、美白成分としてのトラネキサム酸を指す場合、メラノサイトの「m」を頭に入れて「m-トラネキサム酸」として区別することもありますが、成分はトラネキサム酸と同一です。

まずは、トラネキサム酸がもつメラニン色素の生成を抑えるはたらきについて説明しましょう。

まずは、トラネキサム酸がもつメラニン色素の生成を抑えるはたらきについて説明しましょう。

皮膚は、紫外線を浴びると、「メラノサイト」という細胞に、シミの原因となるメラニン色素を作らせる指令が出されます。本来、メラニン色素は決して悪いものではなく、肌を守るはたらきをもっています。しかし、紫外線など外部からの刺激を受け続けると、メラニン色素が過剰に作られ、皮膚にとどまり続けることでシミなどの肌トラブルの原因にとなります。トラネキサム酸は、メラニン色素生成に関わる「プロスタグランジン」などの物質のはたらきを抑えるため、シミ・そばかすを予防し、透明感のある美肌を目指す効果が期待できるのです。

化粧品にはいわゆる「副作用」はありませんが、肌に合わない場合は肌荒れなどのトラブルが起きることはあります。特に、美白化粧品は敏感肌の方にとっては刺激が強い場合も。そのため初めてのアイテムはサンプルをもらって数日間試してみるとよいでしょう。刺激がある場合は「効いている」と思わず、炎症がひどくなる前に使用をやめ、改善されない場合は皮膚科の医師に相談することが大切です。

医薬品としてのトラネキサム酸とは

医薬品としてのトラネキサム酸とは

顔などに左右対称にあらわれるシミの一種、「肝斑」に対して有効な成分であることが広く知られています。肝斑の原因には女性ホルモンが深く関わっているといわれており、ほかのシミに対する一般的なケアや皮膚科などのレーザー治療では治りにくいこともあります。トラネキサム酸は、このようなやっかいな肝斑の改善が期待できるとして、皮膚科などで処方されたり(保険適用外)、肝斑を改善する一般薬として販売されたりしています。

そのほかにも、トラネキサム酸は止血作用をもつ成分として知られています。体内には、血液が固まるのを防ぐ「プラスミン」という物質があります。トラネキサム酸はこのプラスミンのはたらきを抑える作用があります。このはたらきは「抗プラスミン作用」と呼ばれており、医療の現場では止血剤として利用されています。このプラスミンは、炎症を引き起こす作用ももっています。トラネキサム酸は、プラスミンのはたらきをブロックすることで、炎症を抑えるようにはたらきかけるのです。そのため、風邪などによる喉の腫れや痛みの予防や、湿疹やじんましんなどの症状に対して処方されることが多いのも特徴です。

このようにトラネキサム酸は、さまざまな症状に対して、幅広く活用されていることがわかりますね。

トラネキサム酸の副作用

トラネキサム酸の副作用

トラネキサム酸を薬として服用した場合、次のような副作用が起こる可能性があります。まずは、食欲がわかなくなる食欲不振。いつもより食欲が落ちたと感じた状態が続くようなら、トラネキサム酸の副作用かもしれません。吐き気や胸やけも挙げられます。また、肌に発疹やかゆみなどが認められる場合も、トラネキサム酸の副作用の可能性があります。ひどくなるようなら使用を中止して医師の診察を受けましょう。

先述したとおり、トラネキサム酸は、出血が多いときに血液を止める止血剤としてのはたらきがあります。血液を固まりやすくする作用があるため、体質によっては血栓ができやすくなる可能性もあります。医療用医薬品の場合は止血剤(トロンビン)を服薬中の人は使用できません。心筋梗塞や脳梗塞など血栓症が起きたことのある人やそのおそれがある人、腎臓に持病や症状がある人も医師に相談しましょう。

また、ピルの副作用に血栓ができやすくなるという報告があるため、ピルを服用している人も注意が必要です。一般用医薬品は医療用医薬品よりも含有量が少ないため、こういった副作用は医療用医薬品より出にくいとされています。しかし、医師や歯科医師による治療を受けている人、血栓症が起きたことのある人や血栓症を起こすおそれのある人、閉経を迎えた女性などは購入前に薬剤師に相談するようにしましょう。

まとめ

トラネキサム酸の内服薬で気をつけたい副作用とはのまとめ

トラネキサム酸は、化粧品や医薬品に配合されている成分で、シミなどの予防、肝斑の改善が期待できるといわれています。メラニンの生成を抑えたり、炎症を抑える作用をもつことで知られています。もともとは医療現場で止血剤として活用されていた薬で、現在は美白効果のある成分としても幅広く使われています。

m-トラネキサム酸配合の化粧品に限らず、肌に合わない場合は使用を中止しましょう。また、内服薬として使用する場合、特に血栓のある人や起こしやすい人は注意が必要です。リスクのある人は医師・薬剤師に相談しましょう。副作用についての知識をもち、用法や用量を守って、トラネキサム酸を上手に活用しましょう。

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