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血糖値

食後血糖値、どう測る?「隠れ糖尿病」を見つけよう!

更新日:2018/03/16 公開日:2018/03/15

この病気・症状の初診に向いている科
内分泌・代謝内科

健康診断の結果には載っていない「食後血糖値」を調べることで、「隠れ糖尿病」であるかどうかがわかります。ここでは、空腹時血糖値と食後血糖値の違い、血糖値の推移、食後血糖値の測り方などについて、ドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
「隠れ糖尿病」とは、空腹時血糖値は正常なのに、食後血糖値だけが高く、糖尿病になる手前の状態にある人のこと
食後血糖値は75g経口ブドウ糖負荷試験や自己血糖測定器で調べることができる
「隠れ糖尿病」の段階から血糖値を正常化させるために生活の改善にとりくむ必要がある

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隠れ糖尿病」という言葉を聞いたことはありますか? 年に1回の健康診断では血糖値に問題ないと判定されているのに、実は食後の血糖値だけは高く、糖尿病になる一歩手前の状態にある人のことをそう呼んでいます。ラーメンにチャーハン、そして餃子を追加注文するなど、糖質過多の食事を日常的に食べていて、食後は耐え難い眠気に襲われることが多い人は、もしかするとこの「隠れ糖尿病」かもしれません。

ここでは、健康診断で測る空腹時血糖値と食後血糖値の違い、1日の血糖値の推移、食後血糖値の測り方などについて解説します。

食後血糖値と空腹時血糖値の違い

血糖値は、1日のうちで高くなったり、低くなったりして推移しています。寝ている時は低めですが、起きると血糖値は少し上がります。そして食事を摂ると急激に上がり、やがてインスリンの作用で血糖値は下がります。毎日食事を3食食べている人は、1日に3回、大きく血糖値が上がるタイミングがあるということです。

「食後血糖値」とは、食事で摂取した糖質が消化酵素により分解されてブドウ糖(グルコース)となり、腸から吸収されて血中に入り、血糖値が上がったタイミングで測った血糖値のことです。

よくある健康診断では、前日の夜8時ごろから、水以外はなにも口にしないよう指示されることが多いです。検査当日も絶食状態のまま採血をしますので、このときに測った血糖値は「空腹時血糖値」と呼ばれます。一般的な健康診断では食事を摂ってからまた血糖値を測ることは通常ありませんので、食後血糖値は分かりません。

そのため、通常の健康診断では空腹時血糖値は正常でも食後血糖値が高い「隠れ糖尿病」の人が見逃されてしまう可能性があるのです。2型糖尿病の進展は、最初は食後の高血糖から始まり、やがて空腹時の血糖値が高くなる、と考えられています。なぜなら、糖尿病が発症した早期の段階では、膵β細胞のインスリン分泌能力はあまり低下していないので、食後の血糖値上昇に伴うインスリンの追加分泌だけが上手くいかないために、食後の血糖値が上昇するのです。

健康診断では問題なかったからといって、糖質過多の不健康な生活を続けてしまうと、将来的に糖尿病を発症してしまう可能性が高まります。

食後血糖値を測るにはどうしたらいい?

健康診断で見つけにくい「隠れ糖尿病」を見つけるためには、どうしたらいいでしょうか。いくつかの方法をご紹介します。

HbA1cの値を確認する

健康診断の結果にHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が記載されている場合は、まずこちらを確認してみましょう。HbA1cは血糖値が高いとヘモグロビンが糖と結合(糖化)するという性質を利用した検査で、血中のヘモグロビンのうち糖と結合しているものの割合を%で表したものです。6.5%以上で「糖尿病型」と判定されます。

このHbA1cは過去1~2か月の血糖の状態を反映するといわれており、血糖値が高い状態が続いていればHbA1cは高くなります。空腹時血糖値が正常であっても、HbA1c値が6.5%に近いようなら、食後血糖値が高い可能性があると考えることができます。

自己血糖測定器で調べる

自分で好きなときに血糖を測定できる「自己血糖測定器」を薬局などで買うことができます。食前に1回、食後30分~1時間おきに測定すると、だいたいの血糖の動きが把握できます。点と点をつないで、グラフを描いてみてもいいでしょう。測定器によっては自動的にグラフを表示する機能がついたものもあります。しかし、自己血糖測定器は1万円くらいする高価なものなので、自分が「隠れ糖尿病」かどうかを調べるためだけに買うには躊躇してしまうかもしれません。

薬局の店頭で血糖値を測る

一部の薬局では、店頭で採血して血糖値などを測れるサービスを行っているところがあります。こういったところで食後に血糖測定してもらうのも一手です。全国で1000か所以上の薬局などで「ゆびさきセルフ測定室」というコーナーを設置しており、指先をあしらった緑色のマークを掲示しています。『測定室を検索! ゆびさきナビ』で、全国のゆびさきセルフ測定室を調べることができます。

かかりつけ医に相談する

最も確実な方法は、かかりつけ医に相談して、自分の血糖の状態を確認してもらうことです。かかりつけ医がいないなら、お近くの内科クリニックや糖尿病・代謝内科などを受診するとよいでしょう。

病院で食後血糖値を測定するためには、「75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」という方法が用いられます。こちらも健康診断と同様に、空腹時(絶食状態)にしてから臨みます。75gのブドウ糖を含む液体を服用し、服用前と服用後30~60分おきに採血し、2時間後までの血糖値を測定します。

食後血糖値の正常値は?

上記のような方法で食後血糖値が出たら、数値を見て高いか低いかを判断します。75gOGTTで設定されている基準としては、2時間後の値が140mg/dL未満であれば「正常型」、140mg/dL以上200mg/dL未満は「境界型」(糖尿病予備軍)、200mg/dL以上では「糖尿病型」と判定されます。つまり、140mg/dL以上ならば食後高血糖であるといえます。

糖尿病であるかどうかを診断するためには、食後血糖値だけでなく、空腹時血糖値やHbA1cの検査結果、症状、体重、家族歴などを参考にして医師が総合的に判断します。

「隠れ糖尿病」の危険性と対処法

血糖は血管の壁が炎症を起こすのを早める作用があり、動脈硬化の原因になります。食後の血糖値の急激な上昇(グルコーススパイク)のような大きな血糖変動が続くと、動脈硬化だけでなく心筋梗塞や、脳卒中などのリスクも高まります。

まだ糖尿病とはいえない境界型の時期や早期の軽い糖尿病の時期でも、食後の血糖値が高い状態が続くと、この高血糖を下げようとして膵臓β細胞からのインスリン分泌が盛んに行われ、血液中のインスリン濃度が高くなる「高インスリン血症」という状態を引き起こしてしまいます。高インスリン血症の状態が長く続くと、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させたり、肥満をもたらすとともに、脂質異常症や高血圧症を生じて動脈硬化症を引き起こすことが知られています。これが「メタボリックシンドローム」と呼ばれている状態です。

糖尿病と診断されてからでいいや、と思わず、「隠れ糖尿病」の段階から血糖値を正常化させるための生活の改善にとりくむべきです。

食後高血糖が高い人は、糖質やカロリーの高い食事を好み、運動不足の傾向があります。余分な糖質をカットし、カロリー過多を解消しましょう。食べ過ぎてしまったときはもちろん、普段からウォーキングなどの軽い運動をする習慣をつけましょう。一つ前の駅で降りて歩く、エスカレーターは使わずに階段を使う、などのちょっとした工夫だけでも、血糖値を下げることが期待できます。

参考文献

  1. [1]日本糖尿病学会. 糖尿病診療ガイドライン2016. 南江堂 2016

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