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梅毒

梅毒の感染経路は?性行為以外でもうつるの?

更新日:2018/03/16 公開日:2018/03/15

この病気・症状の初診に向いている科
性感染症内科

梅毒は数ある性感染症のなかでも有名な病気です。性行為でしか感染しないと思われがちですが、性行為以外にもいくつかの感染経路があります。ここでは、梅毒の感染経路と症状の経過や予防について解説します。

◎短くポイントをまとめると
梅毒は多くの場合、性行為によって感染が広まる
非常にまれだが、母親から胎児への胎内感染や、輸血や汚染物への接触でも感染することがある
コンドームの着用や傷があるときの性行為の自粛、パートナーと一緒に検査・治療することが大事

梅毒は数ある性感染症のなかでもよく知られている有名な病気です。人から人へとうつり、昔は不治の病として認識されていました。ペニシリンという抗菌薬(抗生物質)が開発されたことにより、現在ではきちんと治療すれば治すことができます。とはいえ、梅毒の感染者が知らないうちにパートナーにもうつしてしまう可能性がありますから、梅毒に感染しないように日頃から対策することが大切です。

梅毒は性行為以外でもうつる?

梅毒は多くの場合、性行為(もしくは性行為に類似した行為)によって感染が広まっていきます。梅毒の病原体(梅毒トレポネーマ)に感染しても、症状はすぐには現れません。そのため、症状が現れるまでの間に性行為をした人にうつしてしまう可能性があります。ただし、性行為以外にもいくつかの感染経路があります。

梅毒の感染経路(1)性行為

性行為だけでなく、オーラルセックスやキスだけでも感染してしまう可能性があります。現在の日本では20〜24歳の若い女性で増えてきており、流行が懸念されています。また、10〜20代前半の女性の患者数は男性よりも多いと報告されています[1]。

梅毒の感染経路(2)母親からの胎内感染

妊婦が梅毒に感染していると、お腹の中の赤ちゃんにも影響を及ぼします。流産や早産、生まれてくる赤ちゃんに先天性の障害が起きてしまうこともあります。ですが、妊娠初期の妊婦健診に梅毒検査が含まれていますので、健診を受けていればこのようなことは防げます。もし感染していても必要に応じて治療を受けることができますので、実際に胎児に感染する例はほとんどありません[2]。

梅毒の感染経路(3)その他のまれなケース

傷のある手指で、多量の梅毒トレポネーマに汚染されたものに触って感染したという報告もあります。また、梅毒患者の血液を輸血することで、梅毒に感染する可能性がわずかながらあります。献血した血液は感染症の検査にかけられるため、通常では輸血で梅毒に感染することはほとんどありません。しかし、緊急で輸血する場合などは、検査を行っていない血液を使用することがありますし、梅毒の潜伏期間中に検査にかけた場合は陰性となるため、梅毒に気づかずに輸血に使用される可能性が絶対にないとはいえません[3]。

梅毒の主な症状

先ほど、梅毒トレポネーマに感染してもすぐには症状が現れないと説明しました。梅毒にかかるとどのような症状がどのくらいの経過で出てくるのでしょうか?梅毒は、症状の進行に応じて第1~4期に分類されます。

第1期(感染後3週間〜3か月)

約3週間の潜伏期間を経て、性器や肛門など梅毒トレポネーマが感染した部位に硬いしこりが現れます。この段階で治療を開始できれば、短期間で完治させることができます。しかし、しこりはすぐに消えてしまうため、治療の必要性を認識することは困難です。しこりは消失しても、梅毒トレポネーマの感染は持続しています。また、しこりの表皮が破れて、潰瘍になることがあります。これらの症状は、女性は大・小陰唇、子宮頸部、男性は亀頭や包皮の内側などに現れます。

第2期(感染後3か月〜3年)

梅毒トレポネーマが血流にのって全身へと拡がり、全身のリンパ節の腫れや発熱、倦怠感、頭髪の脱毛など多種多様な症状が現れます。また、バラ疹と呼ばれる赤い斑点が皮膚にできたり、粘膜に赤茶色のブツブツができたりすることがあります。これらの症状もしばらくすると消失するため、受診のタイミングを逃す場合があります。

第3期(感染後3〜10年)

皮下組織に大きめのしこりができたり、ゴム腫と呼ばれるコブが現れたりします。

第4期(感染後10年以降)

脊髄や脳が梅毒トレポネーマによって侵され、記憶障害や思考力が低下し、進行麻痺によりやがて全身が麻痺してしまいます。心臓血管系が侵された場合には、大動脈炎や大動脈瘤を起こすことがあります。

HIV感染症(AIDS)を合併すると急速に進行する

このように梅毒は長い時間をかけて人を死に至らしめる病気です。しかし現在では、比較的に早い時期から治療を開始することが多く、治療薬もありますので、第3期〜第4期まで進行する例はほとんどありません。ただし、HIV感染症を合併していると免疫力が大幅に低下しているので、病状は急速に進行し、比較的短期間で第4期に到達してしまいます。また、第2期であっても、皮膚がひどくただれたり、かさぶたを形成したりすることがあります。この場合は早急に治療を開始しなければなりません。

梅毒に感染しないための対策法

梅毒に感染しないために、まずはコンドームの着用を徹底することからはじめましょう。しかし、口に病変があればキスでも感染するため、コンドームを着用しても完全に予防できるとは限りません。小さな傷から感染するので、皮膚や粘膜に傷が認められる場合は性行為を避けることが大切です。

また、梅毒は感染してもすぐに治療を開始すれば問題ないので、症状に敏感になっておくことが大切です。性行為から約3週間後に第1期の症状が現れる可能性があるので、そのタイミングで性器や口などを確認しましょう。

また、パートナーがいる場合には、一緒に検査を受けることが大切です。どちらか一人だけが治療を受けても、性行為をすれば再感染してしまうおそれがあります。クリニックを受診することが恥ずかしいのであれば、自宅での採血で調べて結果がわかる検査サービスもあります。

参考文献

  1. [1] 東京都福祉保健局. “梅毒について” 医療・保健. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/syphilis.html(参照2017-12-29)
  2. [2]今村顕史ほか. “もしかしてわたしも梅毒”もしかしてわたしも梅毒. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/syphilis.files/mosikasitewatasimo.pdf(参照2017-12-29)
  3. [3]中山周一ほか. “梅毒とは” NIID国立感染症研究所. https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/465-syphilis-info.html(参照2017-12-29)

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