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免疫細胞のボスを活性化!?「プラズマ乳酸菌」のすごいヒミツ/キリン株式会社

健康を気遣う人に近年人気のヨーグルトや乳酸菌飲料。しかし、「どの乳酸菌を選べばいいのか…」と悩む方も多いのでは?今回は注目の乳酸菌の一つである「プラズマ乳酸菌」の働きと効果について、キリンの藤原さん、小峰さんにお伺いします。

キリン株式会社
事業創造部
主幹 藤原大介さん
小峰えりかさん

免疫に強みを持つ企業グループとして、新たな研究をスタート

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まずは、キリンがプラズマ乳酸菌を研究・開発することになった経緯について教えてください。

藤原:

私どもキリングループは、もともと免疫学に強みを持っている会社です。グループ会社には抗体医薬品を主力とする協和発酵キリンという製薬会社もありますし、食品部門でも潰瘍性大腸炎の患者様向けの食品を出したり、免疫バランスを整えるKW乳酸菌を配合した食品を展開していたこともあります。

また、協和発酵キリンでは、長年にわたり米国サンディエゴにあるアレルギー免疫研究所などと連携しながら研究開発を行っています。そうした背景があるので、私たちもハイレベルなサイエンスのもと、健康領域で社会に貢献できるものをつくりだそうと長期的な研究をスタートさせたのです。

まず注目したのが、感染のリスクでした。私たち人間は、免疫が未発達な赤ちゃんのときにはお母さんから免疫をもらい、細菌やウイルスから身体を守っています。その後、自身の免疫が発達し、20歳くらいでピークに達し、年齢を重ねると少しずつ低下していきます。この免疫機能を常に高く維持することができれば、すこやかな老後につながるのではないかということから、安全性が高く免疫に作用しうる乳酸菌を研究することになったのです。

免疫細胞の「司令塔」に働きかけ、免疫全体を活性化

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そこで発見したのがプラズマ乳酸菌ですね。実際のところ、どのような働きをするのですか?

藤原:

人間の免疫システムというのは、とても複雑です。実は、一般的な乳酸菌は、NK細胞など一部の免疫細胞を活性化させるに過ぎないのです。

しかし、細菌・ウイルスや毒素など外来の脅威と戦う免疫細胞は、NK細胞だけではありません。ウイルスに感染した細胞を攻撃するキラーT細胞、ウイルスに対する抗体を作るB細胞、彼らをサポートするヘルパーT細胞など、さまざまな働きを担う免疫細胞たちがいます。こうした細胞たちの司令塔の役割をしているのが、「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」です。つまり、命令をきっちりこなす免疫細胞たちを束ねる、ボスのような細胞を活性化することで、より強い組織にしていけるということなんです。

このプラズマサイトイド樹状細胞を活性化させるために、私たちはいろいろな乳酸菌を試しました。そして、最新のバイオテクノロジーによってプラズマサイトイド樹状細胞に直接働きかける乳酸菌を世界で初めて発見し、2012年に論文発表したのです。

この乳酸菌はプラズマサイトイド樹状細胞を活性化させることから、「プラズマ乳酸菌」と名付けられました。けして、電気ショックなどで作り出されているわけではなく、元々はチーズの発酵に使われていた自然な乳酸菌なんです(笑)

さらに言うと、プラズマ乳酸菌は普通の乳酸菌のように「生きて腸まで届く」必要はありません。死んでいても小腸で吸収され、プラズマサイトイド樹状細胞を活性化させる働きがあることが確認されています。

インフルエンザの発症リスク低減や、スポーツ分野への応用も

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このプラズマ乳酸菌について、これまでにどのような効果がわかっているのでしょうか。

藤原:

30歳から59歳までの健康な男女200名ほどを対象に、プラズマ乳酸菌で発酵させたヨーグルト飲料と、そうでないものを用意し、インフルエンザが猛威を振るう1~3月に健常な成人に食べ続けてもらったデータがあります。プラズマ乳酸菌を摂取したグループでは摂取しないグループよりも、風邪やインフルエンザ様症状の累積スコアが半分程度にまで激減したのです。また、2~3月に岩手県雫石町の全小中学校の児童・生徒にプラズマ乳酸菌で発酵したヨーグルトを食べ続けてもらったところ、周辺地域に比べてインフルエンザによる欠席者数が低下したことも分かりました。

また、最近はスポーツ医学の分野からも注目されるようになっています。たとえば、フルマラソンを走ったあとは、風邪をひきやすいことをご存知ですか?

小峰:

適度な運動は免疫を強化しますが、負荷をかけすぎてしまうと一種の免疫不全状態に陥り、免疫の低下につながるんですよね。

藤原:

最近、順天堂大学との共同研究を発表したんですが、運動部の学生たちにプラズマ乳酸菌の摂取後、激しい運動をしてもらったところ、プラズマ乳酸菌を摂取していない学生たちに比べて血中のプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)活性が上昇しました。それだけでなく、期間中の体調が改善し、疲労の自覚症状は低く抑えられることがわかったのです。

明確なエビデンスを積み重ね、今後も事業を拡大

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プラズマ乳酸菌の発表が2012年、その後本格的な事業として展開して5年ほどになります。手ごたえはいかがですか?

小峰:

手ごたえは感じています。

お客様から反響をいただくたびに、みんなでやるぞ!というムードが高まり、世の中の乳酸菌ブームもあってプラズマ乳酸菌が徐々に浸透していることを肌で実感しています。今後はグループの内外を問わず、さまざまな企業とのコラボレーションも検討しています。

藤原:

食品や健康食品の分野では、効果効能のエビデンスがないことも少なくありません。私どもはこれまでに、プラズマ乳酸菌のメカニズムや臨床試験について、20本もの論文を出すことでエビデンスを蓄積してきました。今後の研究もキリン単独で行うのではなく、国立の研究機関や大学の医学部などとさまざまに連携しながら続けていきます。

免疫機能については、これからもさまざまな領域へ研究を広げていけると感じています。今後も消費者の皆様に役立つような研究成果やエビデンスをきちんと積み重ね、お知らせしていきますので、ぜひご期待いただければと思います。

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ブランド情報

プラズマ乳酸菌

プラズマ乳酸菌とは、ウイルス感染防御に関わる免疫の司令塔"プラズマサイトイド樹状細胞"を直接活性化することが世界で初めて確認された乳酸菌です。キリングループでは発酵・バイオテクノロジー分野で培った知見・ノウハウをもとに、グループ横断で研究に取り組んでいます。

http://health.kirin.co.jp/

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