カルシウムの吸収を妨げる食材
この記事の監修者
管理栄養士
北川みゆき
カルシウムは体内で合成されないため、食事から摂る必要があります。また、体に吸収されにくい性質を持っており、成人が体内に取り込んだ場合、20から40%(食品による)の吸収率なのだそうです。
カルシウムはビタミンDやマグネシウムと合わせて摂ることで吸収率がアップしますが、逆に吸収を妨げてしまう食材もあるため、組み合わせには注意が必要です。今回は、カルシウムの吸収を阻害する食材についてご紹介したいと思います。
カルシウムの吸収を阻害する食材とは?
■シュウ酸
ほうれん草やたけのこ、チョコレートなどに含まれているシュウ酸は、カルシウムと結合すると尿路結石の原因となります。また、カルシウムだけでなく、マグネシウムの吸収も妨げてしまいます。
■フィチン酸
穀類、豆類に含まれているフィチン酸は、カルシウムをはじめマグネシウム、鉄、リン、亜鉛と結合し、吸収を阻害します。また、過剰摂取によってアレルギーや重度のミネラル不足、腸の痛みなどを起こす可能性もあります。
■たんぱく質
適度な摂取は問題ありませんが、摂り過ぎると尿中に排泄されるカルシウムの量がふえます。また、アミノ酸に分解されたたんぱく質は、体内で脂肪として貯蔵されるので肥満の原因となります。
■食物繊維
意外に思われるかもしれませんが、食物繊維の中にはカルシウムの吸収を阻害するものも含まれています。穀物類や海藻類
野菜に含まれる食物繊維などです。また、食物繊維の摂り過ぎは下痢などの症状につながる場合があるので気をつけましょう。
■ナトリウム
ナトリウムは、梅干しや塩辛、カップラーメンなどに多く含まれています。ナトリウムの摂りすぎがカルシウムの尿への過剰排泄につながるだけでなく、生活習慣病やむくみを引き起こしやすくなります。
■リン
リンはスナック菓子や加工食品、冷凍食品、清涼飲料水などに多く含まれており、カルシウムの吸収を妨げるだけでなく、肝機能の低下や腎臓に負担がかかる恐れがあります。日本人はカルシウムの摂取が少ない反面、リンの過剰摂取が多い傾向にあるので注意が必要です。
摂取量を考えた食材選びを
カルシウムの吸収を妨げるさまざまな食材をあげましたが、極端な偏食をしない限り、それほど深刻な問題にはなりません。しかし、日本人はカルシウム摂取量が不足している傾向にあるため、効率よく吸収させるためにも、吸収を阻害する食べ物の量を考えて摂ることも大切であるといえます。
