地産地消のメリットとデメリットについて
この記事の監修者
管理栄養士
北川みゆき
「地産地消」とは
地産地消という言葉の中には、「自分の住んでいる地域で作った農畜産物や、伝統食を食べる」という意味と同時に、「栄養価の高い旬のものを工夫して食べる」という意味も込められており、自分たちの健康とその土地に伝わる食文化を守ってきました。
流通が発達した現在では、様々な地域の食物が容易に手に入るようになりましたが、豊かな食生活を送れる反面、食物に対する関心も失われつつあります。
地産地消を使った給食で食育を
健康のためにも食事の大切さ、意味を失うことは避けなければなりませんから、現在では、全国の小学校の給食で、地産地消を使った食育を実施しているところもあるそうです。
子どもたちが大好きな、おいしい給食を通じて、食や地域環境への関心や愛着を深め、生産者への感謝の気持ちと豊かな人間形成をするためだそうです。
地産地消による食育は、将来を担う子ども達が自然の恵みである食べ物の大切さを知り、健康で文化的に暮らしていくために必要なことだと思います。
メリットとデメリット
地産地消には消費者、生産者双方ともにメリットもデメリットが様々あります。
■メリット
1.消費者は生産者の顔が見えるので安心である。生産者は消費者のニーズを知ることが出来る
2.消費者は栄養が豊かで新鮮な旬の食材を手に入れることができ、食育にもつながる。規格外のものも安く手に入れることができる。生産者は見た目の悪い規格外のものも消費されるので無駄がない。
3.食料自給率が向上する
4.町おこしなど地域の活性化につながり、高品質な作物が作れるようになる。
5.環境にもやさしい。
など
■デメリット
1.その地域だけでは賄えない食物もある。
2.売れないものもある。
3.その地域に根付かない食物も無理に育てることになる。
など
デメリットを克服するにはどのようにすれば良いのか。最近では地産地消から適地適作へという動きも出ています。
「適地適作」という考え方
地産地消を少し進めた考え方、それが「適地適作」です。適地適作とは土地が持つ風土に合った食物を自然に育てるという意味です。自然に育てるので無理がなく、エネルギー消費も少なく栽培できます。
地産地消と合わせて行えばデメリットもメリットに変換できる可能性があり、国産のもの、旬のもにこだわった食生活ができるようになります。
日本の食料自給率が下がっていると言われている今、食料のことを真剣に考えるいい機会なのかもしれませんね。
