鉄分の吸収を阻害する飲み物
この記事の監修者
管理栄養士・料理家
磯村優貴恵
鉄分を多く含む食品はさまざまなものがありますが、それとは逆に鉄分の吸収を妨げてしまう食べ物や飲み物が存在するのをご存知ですか?今回は、その中でも鉄分の吸収を阻害する飲み物についてご紹介します。
鉄分の吸収を阻害する「タンニン」
鉄分には動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と植物性食品に含まれている「非ヘム鉄」があり、例えばレバーなどに含まれている「ヘム鉄」は、ほかの食べ物や飲み物によって影響を受けることは少ない性質を持っています。ですが、「非ヘム鉄」のほうは「タンニン」という成分によって消化吸収が妨げられてしまいます。
「タンニン」とは、緑茶や紅茶に含まれている代表的な成分で、ご存知の方もおおいのではないでしょうか?タンニンはポリフェノールの一種で、鉄と結合することで「タンニン鉄」とよばれる物質へと変化します。この「タンニン鉄」は、水に溶けにくい性質を持ち、腸で吸収されにくくなるため、せっかく鉄分を摂取しても体の中へ取り込まれないのです。
あまり極端に意識をする必要はありませんが、貧血気味の方や鉄分不足が気になる方は、少しだけ意識してみましょう。
タンニンはコーヒーや紅茶、赤ワインなどにも含まれていますが、食事中ではなく食後30分から1時間程度経過してから飲むのがよいそうです。麦茶やほうじ茶は含まれているタンニンの量が少なめなので、食事と一緒に飲むなら、これらの飲み物を選択するのもよいでしょう。
また、鉄分の吸収を高めたい時は、ビタミンCが多く含まれているものがオススメです。赤ピーマンやいちご、キウイフルーツなどにはビタミンCがたっぷりと含まれているのでジュースにして食事と一緒に飲むことで、鉄分の吸収率を高める効果が期待できます。また、鉄分を多く含むしじみや、わかめのみそ汁などもよいでしょう。
地道な継続で貧血対策を
貧血対策としての食事療法には即効性がないのですが、地道な継続が必要です。効率よく鉄分を摂るためにも、食べ物だけでなく飲み物にも気をつけてみてはいかがでしょうか。
