菜の花の下処理、調理法やレシピ
この記事の監修者
野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター
田代由紀子
菜の花(なのはな)は花、つぼみ、若い茎を食べるアブラナ科の野菜の総称で、菜花(なばな)や花菜(はなな)とも呼ばれています。
古くはなたね油をとるために栽培されていましたが、今では春の訪れを感じさせる野菜として食用されています。小松菜やチンゲン菜も春になると花をつけ、菜の花として食べることができまが、一般的に流通しているものは食用に品種改良されたものです。
独特の香りとほろ苦さを生かしておひたしや辛子和えのほか、オイルとの相性もよいのでパスタの具材としてもおすすめです。
主な栄養素
ビタミンC、βカロテン、カルシウム、鉄
食材の栄養成分と効能
菜の花にはコラーゲンの生成、鉄の吸収を高める、抗ストレス、抗酸化作用などの効果が期待できるビタミンCを豊富に含んでいます。体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。カロテンの含有量も多いので、粘膜や皮膚の健康維持、風邪予防にもよいでしょう。
代謝に必要なビタミンB群、骨の健康に必要なカルシウム、貧血を予防する鉄などのミネラルも多く含む優秀野菜です。
食べごろの見分け方
旬
11月ころから出回り始め、4月ころまでがシーズンで、ピークは初春の2月から3月です。
シーズン以外は出回ることのない季節感のある野菜です。
お店での選び方
菜の花はつぼみが密集していて揃っているものを選びましょう。花が咲き始めるとがえぐみがでてくるので、つぼみが開く前のものがおいしくいただけます。 黄色い花を彩りとして楽しむ場合は花が少しだけ開いているものがよいでしょう。鮮度が落ちてくると茎が痩せて、葉もしおれてくるので茎や葉がみずみずしいものが新鮮です。茎の切り口も時間が経つと茶色く変色してくるので根元もチェックしましょう。
長い茎の菜の花は茎の太さが揃っているものを選ぶと調理のときに加熱時間を変えずに一度に茹でることができます。
品種と特徴
和種
昔から栽培されている在来種に加え品種改良されたものがあります。淡い緑色で15㎝ほどの長さに切り揃えられ、束になって売っていることが多いタイプの菜の花です。主に花茎とつぼみ、葉を食べます。ほろ苦さを生かしたおひたしや辛し和えがおすすめです。
西洋種
明治時代に日本に入ってきたもの、それを品種改良したものがあります。和種に比べて苦みが穏やかで甘味の強い野菜です。主に花茎と葉を食べるため、和種に比べて長くカットされて販売されています。さっと茹でてサラダに、オリーブオイルで炒めなどもおすすめです。
アスパラ菜(オータムポエム・愛味奈【まなみな】)
中国野菜の菜心と紅菜苔を交配させた新品種の花茎と葉を食べる菜の花です。苦みがなくアスパラガスのような食感からこの名前がつきました。甘味もあるので、どんなお料理にもおすすめです。
保存の仕方
乾燥を防ぐためにキッチンペーパーなどで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。野菜室に入れる時は花を上にして立てるように置くと日持ちが良いと言われていますが2~3日のうちに使い切りましょう。
テープなどで止めてあるものは外しておきます。一度に食べきれない場合は固めに茹でて用途に合わせた大きさに切って、しっかりと空気を抜いた保存袋に入れて冷凍保存がお勧めです。
切り方
ざく切り …茎と花蕾に分けます。
1.根元に固い部分があれば切り落とす。
2.端から用途に合わせた長さに切り揃える。
下処理
茹でる…茹であがりが同じになるよう茎と花蕾を時間差で鍋に入れます。
1.塩を加えた熱湯に茎・花蕾順に入れる。
2.冷水にとり、水気をしぼる。
