神経には主に「体性神経」と「自律神経」があります。
体性神経は体を動かしたり、目や耳などの感覚器から得られた情報を脳に伝えたりする働きをします。
自律神経は心臓や血管など自分の意思ではコントロールできない神経で、体温調節や消化活動、血圧の調節など生命維持のためにとても重要な役割を果たしています。
今回は、自分でコントロールできない自律神経と関係の深い栄養について解説していきましょう。
自律神経には、さらに「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、これらの神経が身体の活動状態によって、双方がバランスをとって働いています。
自律神経はストレスの影響を非常に受けやすく、気温や気候が変動する季節の変わり目は、身体的なストレスもかかりやすいため、自律神経が乱れやすくなる傾向があります。
また、体の構造上、女性ホルモンが自律神経と深く関与していることから、男性よりも自律神経が乱れやすくなります。
私たちの体は暑いときには発汗が促され、体にこもった熱を放出させます。また、寒いときには毛穴を閉じて血管を収縮させ、体の中にある熱を逃さないよう体温を一定に保つ体温調節機能が働いています。
これも自律神経によるものですが、あまりにも体と外気に温度差があり、体がついていかない場合には自律神経の働きが追いつかなくなり、自律神経の乱れが生じ、肩こりやめまい、頭痛などの症状が起こりやすくなるのです。
神経の働きを正常に保つビタミンB群は、強いストレスがかかると急激に消費されるため、意識をして摂ることが大切です。
神経や筋肉の機能を正常に保つビタミンB1は豚肉や卵に、ビタミンB12はもやしや納豆に含まれています。また、ビタミンEにも自律神経をコントロールする作用があります。
自律神経の乱れを感じたら、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が有効に機能するような栄養を摂ることもポイント。
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の合成に必要なトリプトファンや鉄分は、体内では合成できないので食事から摂る必要があります。トリプトファンは豚肉や牛肉、豆腐などに、鉄分はひじきやパセリ、ほうれん草などに含まれています。
さらに、神経伝達物質を放出するときに不可欠なのが、カルシウムとマグネシウム。カルシウムはチーズなどの乳製品、わかめやとろろ昆布などの海藻類に、マグネシウムは、焼き海苔、わかめ、とろろ昆布などに含まれています。
不規則な生活やストレスの状態が長引き、自律神経の働きが乱れると、体にさまざまな不調が現れます。いきいきと健康な毎日を過ごすためにも、栄養面からの対策も行いましょう。