管理栄養士 片村優美さん
寒くなると、おうちで食べるあったかいごはんが恋しくなりますよね。そんなとき、白米に栄養価や彩りをプラスできる「雑穀」を取り入れてみては?美容や健康に役立つ一皿に仕上がりますよ。
今回は管理栄養士の片村優美さんに、雑穀の魅力や上手な選び方、取り入れ方などをご紹介いただきます。ぜひご自宅で、気軽に実践してくださいね。
そもそも雑穀って、どういう食べ物なんですか?
雑穀はもともと、イネ科作物のなかでも実を付けるヒエ、アワ、キビなどの総称でした。これらはかつて、日本人の主食だったんです。
白米が主食になってからは、雑穀の定義がより広がりました。現代では大麦や押麦、もち麦、はと麦、とうもろこし、小豆、アマランサス、ごま、黒米、赤米なども「主食以外で活用されている穀物」として、雑穀に数えるようになってきています。
最近は雑穀ごはんを選べるお店も増えていますね。雑穀を取り入れるメリットについて、教えてください!
雑穀のメリットはなんといっても、栄養が豊富なこと!カルシウム(体の中で最も多いミネラル)や食物繊維、ビタミンなどが入っています。
白いごはんは炭水化物中心ですが、雑穀をまぜて炊くことでカロリーを抑えながら手軽にたっぷり栄養補給ができるんです。
こんなに栄養価がアップするなんて、まるでサプリメントみたい!おかずをたくさん用意できなくて「栄養バランス大丈夫かな」という日も、雑穀があると助かりますね。
食物繊維もたっぷり摂れるので、毎日すっきりしたい方にもおすすめです。
すっきりした毎日を送れたら、美容面でもメリットがありそうですよね。
雑穀はやわらかい白米と比べて、食感がバラエティに富んでいます。噛みごたえがあるので自然とよく噛んで食べるクセがつき、健康面でうれしい効果も。
少量でも満足感が生まれ、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。また咀嚼によって唾液の分泌が増え、食べ物の消化も進むんです。
私もさっそく取り入れたいけれど、初心者には種類が多すぎて…。ダイエットや美容など、目的別におすすめの雑穀を教えていただけますか?
ダイエット目的で取り入れるなら、キビやもち麦など食感を楽しめるタイプがいいですね。プチプチ、モチモチしていて噛みごたえがあるので、少量でも満足感が得られやすいんです。
美容目的なら、ポリフェノールたっぷりの赤米や黒米などの有色米に注目しては?ごはんに彩りを加えてくれるので、「見ためを華やかに仕上げたい」ときも活用できますよ。
健康的な毎日を送りたい、毎日飽きずに雑穀を楽しみたい…というなら、押麦やヒエはいかがでしょう。押麦は麦を平たくしたもので、白米になじむよう食感などが工夫されています。またヒエは上品な味わいで、クセが少ないのが特徴です。
わたし個人としては、オメガ3脂肪酸を含むえごまもおすすめ!オメガ3脂肪酸は身体のさまざまな機能の維持に欠かせない栄養素で、ダイエットや美容目的でも人気の成分です。「青魚を食べる機会がない」という方にもよいですね。
どの雑穀も味に強いクセはないので、目的や不足しているなと感じる栄養素によって、試してみてくださいね。
雑穀米を炊くとき、なにかコツって必要ですか?
いつも通りに白米をとぎ、使いたい量の雑穀とその分の水を加えて、全体を混ぜてから炊飯器で炊き上げるだけ。簡単でしょ?
市販の雑穀は洗わずに使えるものが多いですが、気になる場合はさっと水洗いしてから使いましょう。塩をひとつまみ加えると、より旨味がアップしますよ。
どんな料理と合わせるとよいですか?
炒めご飯やカレーなど、ごはんがメインの料理に雑穀米を使うと、いつもとは違う雰囲気の演出ができます。栄養価が高まるのはもちろん、食感や視覚を刺激してくれる楽しいアイテムなんですよ!
また、彩りも良くなるのでお弁当にもおすすめです。「栄養、食べごたえ、彩りも…」とおかずにこだわると、手間や時間がかかりますよね。そんなときは雑穀入りごはんに変えるだけで、華やかな仕上がりに。食欲もそそられます。
白米と混ぜるだけでは、飽きてしまうかも…。と不安もあるのですが、他にも取り入れ方はありますか?
おすすめは「食べるスープ」です!
スープって野菜などのいろんな食材がたっぷり一度に食べられますが、糖質系の食材は少なめですよね。そこで雑穀を加えると、1品で栄養バランス満点の食事に!
時間のあるときにまとまった量の雑穀を茹でておき、必要な分だけ取り分けて使うと便利ですよ。
余った雑穀をサラダのトッピングにしてもいいですね。サラダにかけるだけなので、とっても簡単です!
ありがとうございます!さっそく作ってみます!みなさんもぜひお好きな雑穀を取り入れて、栄養たっぷり、彩り豊かな食卓を楽しんでくださいね。
ビタミン・ミネラルをバランスよく配合し、初めての方にも食べやすく
食物繊維にマンナン・寒天をプラスして体の内側からすっきり、美しく!
不足しがちな野菜や海藻、小魚、豆などの栄養をバランスよくブレンド
ポリフェノールやGABAが豊富な黒米・発芽玄米を中心にブレンド
ポリフェノールやタンパク質の多い赤米や豆類で元気いっぱいに!
食物繊維や大豆タンパク、ビタミンなど健康にうれしい栄養たっぷり!
片村 優美さん
管理栄養士
病院で栄養指導や給食管理に従事したのち、フリーランスに転身。webサイトや商品の監修、コラム執筆を主に行っている。地域の活動として、食育講座や地域食材を使ったレシピサイトの運営、短期大学の非常勤講師などを務め、身体のことだけではなく、心の健康も大切にした「無理しない健康づくり」を推奨している。
病院で栄養指導や給食管理に従事したのち、フリーランスに転身。webサイトや商品の監修、コラム執筆を主に行っている。地域の活動として、食育講座や地域食材を使ったレシピサイトの運営、短期大学の非常勤講師などを務め、身体のことだけではなく、心の健康も大切にした「無理しない健康づくり」を推奨している。